12月8日 2日目 午後の様子

いちひめ雅楽会
アトラクション 「雅楽と舞い」

2日目のお昼のアトラクションとして、「いちひめ雅楽会」の皆さんによる舞楽『万歳楽』が披露されました。いちひめ雅楽会は、1980年に設立され、現在では200名以上の会員が、日夜練習に励んでいます。 檀上には、雅楽用の美しい舞台がしつらえられ、伝統的で華やかな装束を身にまとった楽人が、笙や篳篥、竜笛を奏でる中、舞人が舞台中央に登場。おごそかに舞い始めました。舞楽は、千年以上の歴史を持ち、宮廷や神道と深いかかわりを持ちながら、今日まで受け継がれてきた日本の伝統音楽。明治神宮会館にふさわしいアトラクションでした。

グスタボ・ブラチョ博士
「ホメオパシーと高希釈:基本的証拠から実用的応用まで」

1日目に続いて、グスタボ・ブラチョ氏が登場。ホメオパシーのレメディーがなぜ効くのかを示す科学的臨床実験について発表されました。 「疑似科学」「根拠に基づいていない」「プラセポだ」と言われることの多いホメオパシー。 ホメオパシーのレメディーを作る際、物質を無毒化するために希釈し、震盪することで、物質の薬効を活性化(ポーテンタイズ)します。しかし、高希釈度にも関わらず、薬効を持つのはなぜなのかと批判されることがあります。フィンレイ研究所では、レメディーの効果を証明するために臨床実験を行いました。 実験手順は、培養した細胞に、様々なポーテンシー(濃度)のレメディーを投与して、効果の違いを調べるというもの。効果とポーテンシーは比例せず、ポーテンシーが上がるにつれ、効果のあるポーテンシーと無いポーテンシーが繰り返し現れることがグラフからわかります。マウスの実験でも、同じような結果が出ました。いずれの実験でも、プラセポ以上の効果がはっきりと認められているとのこと。 また、震盪に関する実験では、希釈した物質を震盪することで、物質が発する電磁波に変化が起こることがわかりました。このことから、原物質の物性が水に転写されると考えられるとのことです。 科学的に証明することが難しいと言われるホメオパシーですが、実験デザインを工夫すれば可能だといういうこと、そして科学とホメオパシーの融合が可能だということがよく理解できる画期的な発表でした。

マンチャンダ長官
「エビデンスに基づいた皮膚科学におけるホメオパシー
(Evidence based Homeopathy in Dermatology)」

2日目のマンチャンダ氏による発表は、皮膚疾患に対するレメディーの効果を科学的に証明する論文がメインでした。 いくつかの論文が紹介された中、レメディーのプラセポ効果を除くため、二重盲検法で臨床実験したという論文が特に印象的でした。イボまたは伝染性軟属腫を患う124名のクライアントにホメオパシー治療を投与。その結果、レメディーを投与したグループの方が、プラセポグループより有意に高い改善率が見られたということです。 200年以上前に、ハーネマンがホメオパシーを創始して以来、多くのホメオパスによる臨床経験が積み重ねられています。個別のケース分析については、すでに膨大な情報量があります。しかし、情報共有のためのガイドラインが標準化されていないという問題点もあります。 偏見を持たずに客観的に分析した結果、レメディーの効果がうまく認められなかったという論文も紹介されました。しかし、こうした情報も含めてしっかり記録・分析・共有していくことが、ホメオパシーによる治療技術を進歩させること。そして、ホメオパシーを科学的に証明するために必要だと言及されました。

由井寅子 JPHMA大会長発表

2日目最後の発表は、由井大会長。日本人の持つ罪悪感やインナーチャイルドがテーマでした。 由井会長が18年間にわたり、日本人のクライアントを見ていて思うことは、「自己否定感」「罪悪感」に苦しんでいる人が多いということ。これらがあると、病気がなかなか治りません。東日本大震災で被災地を訪れた時も「親や子供を助けられずに亡くしてしまった。生き残ってしまって申し訳ない」という罪悪感に苦しんでいる方々に多く出会ったそうです。由井会長ご自身も自己否定感に悩まれていた時期、体験を越えてこられたとのこと。 これには、罪悪感を植え付ける歴史教育も一因となっていると考えられ、自己否定感や罪悪感を払しょくするため、正しい歴史を知り、日本人としての誇りを取り戻すことが、病気を治し、強く生きるために必要だといいます。 自己否定感は、子供の心にも深刻な影響を与えています。会長のホメオパシー相談によって、いじめに悩んでいる子供が笑顔を取り戻したケース、感情表現が苦手でいじめに悩んでいた子供が自分の苦しみを表現できるようになったケース等、改善していく様子が、多くの映像で紹介されました。 CHhomには、心の問題を解決するためのインナーチャイルドセラピストコースが開講しています。一人一人が自身の中にあるインナーチャイルドを癒し、愛し愛される本来の自分に戻ること。一人の人間として、日本人として、誇りを持って生きることは由井会長の心からの願いです。最後にJPHMAによる東北災害支援活動の映像が放映され、会場は大きな拍手につつまれ講演を終えました。

プレスインタビュー

以下のメンバーでプレスインタビューが行われました。 会場からの質問は記者だけではなく、一般の来場者からも様々な質問が飛び出し、とても有意義な時間となりました。
■由井寅子大会長(JPHMA会長)
■R・K・マンチャンダ長官(インド共和国 ホメオパシー中央リサーチ評議会長官)
■グスタボ・ブラチョ博士(キューバ共和国フィンレイ研究所 ホメオパシーと生物療法プロジェクト代表)
■川田薫氏(川田研究所 理学博士)
■高橋正好氏(一般社団法人日本マイクロ・ナノバブル学会代表理事 工学博士)
■内海聡氏(内科医 Tokyo D.D.クリニック院長)

由井会長閉会あいさつ

由井会長から大会の締めくくりと感謝の言葉をここに紹介します。「今回のコングレスでは、私が最も苦手だった、愛を発信するということに挑戦してみました。ここ2、3年、私はずいぶんお母さんらしくなったと思います。今は患者の気持ち、学生の気持ち、ホメオパスが悩む気持ちが手に取るようにわかります。悩んでいるからこそ人は成長できるのです。苦しみのあとの喜びはひとしおです。ここまでいろいろ苦しいことがありました。でも、愛を発信できるようになった。だから、こういうコングレスを開きたかったのです。多くのサポーターに来ていただきありがとうございました。ホメオパスも学生もクライアントも、一緒に大会ができるのは日本だけです。他の国は、それぞれ分かれて大会をやっているのですから。 これから年の暮れになりますが、皆さんご自愛ください。自分を愛して、ゆっくりしてください。 これで、コングレスを終了したいと思います。会場にきてくれた皆さん、本当にありがとうございます。そして、コングレスを支えてくれたスタッフたち、ありがとう!」 由井会長の愛あるメッセージに会場は、大きな拍手に包まれました。

総評・閉会宣言

JPHMAを代表して宮崎日出子理事より閉会のあいさつが行われました。 「みなさまおつかれさまでした。愛とサイエンスの融合、そして愛は無敵、二日間いかがでしたでしょうか。ゲストの科学者の先生方から新しい世界をたくさん見せていただきました。太陽は必ず東から昇って西に沈みます。これが愛なのではないでしょうか。これにてJPHMAコングレス、閉会いたします。またお会いしましょう。」 最後に、由井会長が檀上からミカンを配られ、とても和やかな閉会となりました。 講演された皆様、参加された皆様、ほんとうにありがとうございました。

JPHMAのインタビュー

2日目コングレス終了後、明治神宮会館から、渋谷池尻のCHhom東京校に場所を移し、キューバのブラッチョ博士、インドのマンチャンダ博士にJPHMAのインタビューにお答えいただきまた。両博士とも、この2日間のコングレスに参加され、その質の高さに感銘を受けられておりました。また、由井会長という強力なリーダーシップのもと、日本のホメオパスたちが強い団結力で邁進していく姿に共感を示され、このまま進んで行ってくださいとのコメントもありました。両博士からは、各々の国のホメオパシーの歴史や現状について説明をいただき、最後に日本のホメオパスたちへのメッセージとして、今後、国に認められるための準備として、データをとること、海外情報収集のため各国のジャーナルを翻訳することなど、貴重なアドバイスをいただきました。いずれも国がホメオパシーを保護・推進する2カ国の代表者から協力関係や支援の申し出をいただけたことは大変貴重で希望の持てるものでした。マンチャンダ先生、ブラッチョ先生、ありがとうございました。

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