今年２月、英国議会下院の科学技術委員会は、「ホメオパシーにはプラセボ効果以上の治療上の効果はない」と結論し、6月末、政府に対して保健医療でのホメオパシーへの公費支出の停止などを勧告しましたが、この勧告について英国全土で驚きと、抗議活動の輪が広がっています。英国では既にホメオパシー180年の歴史があり、王室、貴族をはじめ、多くの国民がホメオパシーを愛用しており、この勧告自体がホメオパシー・バッシングを意図したものとして、ホメオパシーの恩恵を受けて健康になった患者会の皆さんやホメオパシー関係者による国会へのデモ行進も行われ、国会議員の中からも今回の勧告に対して様々な抗議活動が始まっています。

この勧告に対しては、欧州20ケ国以上のホメオパシー団体が加盟する欧州ホメオパシー中央評議会（ECCH）のホームページ上にもコメントが掲載されています。そこでは、ECCH及び世界28ケ国のホメオパシー団体が加盟するホメオパシー国際評議会（ICH）の理事は、2月22日に発表された英国議会下院科学技術委員会のホメオパシーにおける調査報告「証拠チェック」を読み、英国会内外で働いているホメオパシーに懐疑的な人々の陰謀が作用して作成されたように映る、この報告には深い過失があるものとして、拒否すると発表しています。（ECCHトップページ　リンク　に関連記事が掲載されています）

なお、英国NHS（英国健康保険）でホメオパシーに使われる金額は、年間約4百万ポンド（５億円程度）に過ぎず。これは、NHS全体予算の内の２万５千分の１に過ぎないので、下院の論争点「プラセボ効果であるホメオパシーにNHS予算を割り振る事はできない」というのは、そもそも正当な理由でないと考えます。実際にホメオパシーがもっと取り入れられれば、国家の医療費は削減される事はに繋がります。

また、7月14日（水）には、David Tredinnick国会議員が主催する「統合保健ケア認識を高める為のレセプション」が英国国会内で開かれ、英国議会下院科学技術委員会による今回の勧告に対して、会議が英ICH、ECCHや他の補完代替医療（CAM）の関係者とともに、JPHMAも招かれ、英国から都築明美JPHMA理事と道繁良JPHMA会員が、JPHMAを代表して参加しました。この会議では、世界のホメオパシー団体の関係者や、王立のロイヤル・ロンドン・ホメオパシー・ホスピタルに勤め、エリザベス女王の主治医でもあるピーター・フィッシャー、また、ハーブ療法や、アユールヴェーダの関係者も参加して開催され、会議では、今回の英国下院でなされたホメオパシー・バッシングの勧告に対する抗議が参加者から次々に発言されました。広く補完代替医療を推進する人々が手を携えて、対処していこうというホメオパシーや補完代替医療の団体の結束に発展しつながっています。写真は、国会議事堂前で、ホメオパシー国際評議会（ICH）のスティーブン・ゴードン氏と一緒に写真とるJPHMA都築明美理事。

なお、英国の上院に当たる貴族院では、２０００年にホメオパシーを安全な療法と認識しており、ホメオパシーは5大代替医療（グループ１：鍼、カイロプラクティック、ハーブ療法、ホメオパシー、整骨）の中では、もっとも危険が少ない療法と認めており、現在もその情報が貴族院のホームページに掲載されています。