インドではどのようにホメオパシーがひろがっていき国に認められたのか

インドでは、植民地時代、ホメオパシーが入ってきた時代には、近くに病院もな く、50kmも歩いてお医者さんにいくという時代であったのです。お金持ちの方にも、高価な現代医学を受けれない多くの貧しい人達にも、この植民地時代に 家庭の救急箱として使えるホメオパシーが国の隅々までひろがったそうです。多くの家の引き出しに、アーニカやベラドーナなどのレメディーの瓶が入ってい るそうです。家庭の医学としてまず第一の選択としてホメオパシーが使われるのがインドのホメオパシーの強さです。そして、インドが独立した当時の初代保健相が全国の調査をした際に、国民の75%が現代医学でなくホメオパシーを中心にアユールヴェーダなどインド伝統の医学で健康管理を行っていたそうです。この調査をもとに、インドでは1952年に、国家が、ホメオパシーを国の医学と して認めました。今でもインドでは人口の70%がホメオパシーを使っているそうです。

ホメオパシーが国に認めらるためには何が必要か

由井会長が講演会などでも度々言ってきたうように、「国民がホメオパシーを家庭の医学として支持していくことが、日本にしっかりとホメオパシーが根付いて いくために重要である」との認識については、バナジー氏と考え方が一致しました。また、かねがね由井会長が言ってきたように、ホメオパシーが、これからの日本でも真の医学と認められるためには、まずは、ホメオパスが「治さなければならない」と思うと伝えた時に、バナジー氏からも、インドでも「バナジープロ トコル」が認められていく過程で、まず、患者を治癒に導くことが最も重要であった。「ホメオパシーが患者を治さなければホメオパシーは衰退してしまうのだ」とバナジーさんが発言し、今でも世界の多くのホメオパスが、スピリチュア ルや「精神」症状にあまりに偏ったケントの流れを汲むホメオパシーから早く抜け出ることの重要性を説いていました。

ホメオパスは「病理」「生理」「解剖」を徹底的に勉強することが求められる

今回のバナジーの講義でも実感したが、従来からRAHで行っているように、ホメオパシー医学の視点から、ホメオパスは「病理」「生理」「解剖」を徹底的に学んでいくことが重要であるという由井会長の発言に、バナジー氏は「Absolutely!(それは絶対だ!)」とバナジー氏も叫び、本当に同じ考えのホメオパスへの出逢いを喜び合ったのです。

ハーネマンが言うように1つの病気について1つのレメディー!
コンビネーションで対応しなければ複雑化した現代病には対応できない。

RAHの講義でも触れられていて、ハーネマンの「慢性病論」に書かれているよ うに、病気や症状に合わせて、レメディーを選択していくこと、すなわち「ホメ オパシー的診断」が重要であるというバナジー氏の考え方も由井会長の考え方ともそっくりで、そのために、データベースとしてレメディー選択の標準化が日本でも大切になることを、4代にわたり多くの臨床例を持つ先輩ホメオパスの視点 でバナジー氏からアドバイスを頂きました。由井会長がかねがね、言っていたよ うに、バナジー氏も、ハーネマンの著作でも言及されているように1つの病気には1つのレメディーであって、現代人のように複数の病気がある場合には複数のコンビネーションのレメディーが必要であるという考え方も本当に偶然ですが同 じでした。

1つのレメディーをとって待つ、最同種(シミリマム)なレメディーを選択するのは理想論である

バナジー氏は、1つのレメディーをとって待つなどということでは、インドでは、重篤なクライアントを救うにも、また多くの病気で苦しんでいる人を救うにも、とてもそんなことをしていては対応できないと述べていました。また、その人全体に合うような最同種(シミリマム)のレメディーを、医原病など複雑な背景 を持つ現代人に選択できるはずはなく、理想論にしか過ぎない点に由井会長が言及する と、結局は、そういったことにこだわっていたら、多くの病気に苦しんでいる人を救うというニーズに対応できないことをバナジー氏は指摘した。

ハーネマンを越えて

私たちが書籍でハーネマンを学ぶのに、ハーネマンが200年前の人だということをしっかりと認識していなかければならない、ハーネマンは200年先を見据 えてもすばらしいホメオパシーを確立したが、もし今ハーネマンが生きていた ら、さらにもっと現代に合ったホメオパシーをどんどんと追求していっただろ う、だから私たちは「Beyond Hahnemann(ハーネマンを越えて)」 というスタンスでホメオパシーを追及していくことが重要なのだと、まるで RAHの講義で由井学長が話しているのと同じようなことをバナジー氏からもお聞き しました。

科学的にホメオパシーを証明することがわれわれの使命

今日の医学のメインストリームにホメオパシーを復帰させるためには、ハーネマ ンが200年前に科学者の視点と態度をでホメオパシーを追求したのと同じよう に、私たちホメオパス1人1人が、科学者としての態度で、臨床データや実験結果 をもって、ホメオパシーを科学的の証明していくことがもとめられているとバナ ジー氏は伝え、由井会長は、日本では、そのことが、これからホメオパシーが国に認められていくための大きな課題であること、そして、JPHMAの会員1人1人が、ホメオパシーを科学的に証明していくために、学術的な視点で、ホメオパ シー療法を行っていくことが重要だということを伝えました。そして、バナジー氏からは、日本でホメオパシーが国に認められていくためのJPHMAに対しての情報やデータの提供には、惜しみなく協力していきたいという有り難いお言葉 を頂きました。

(9月のコングレスでは、来賓のオーストラリア・ホメオパス、 ディミトリアディス氏は「ホメオパシーの科学性とその症例」という テーマで発表を頂きます)