オーストラリアNHMRCのホメオパシーの有効性における見解

オーストラリア政府
ナショナル・ヘルス・アンド・メディカル・リサーチ評議会（NHMRC）
NHMRC声明；ホメオパシーにおける声明

ホメオパシーの有効性に関する証拠への評価に基づいて、NHMRCは、どの健康状態にホメオパシーが効果的であるかという信頼できる証拠は存在しないと結論づけている。

ホメオパシーは慢性、深刻な、あるいは深刻になりそうな健康状態に対して、用いられるべきではない。もし人が安全で有効性への高い評価がある療法を拒絶、または延期し、ホメオパシーを選択した場合、その健康は危険にさらされるかもしれない。ホメオパシーを使用するかどうか考慮している人々は、まず始めに登録先の医師*　からのアドバイスを得るべきである。

ホメオパシーを使用する人々は、それぞれの登録先の医師へ話し、またそれら医師の規定した治療を受け続けるべきである。

ナショナル・ヘルス・アンド？メディカル・リサーチ評議会は、オーストラリア国民が最も有効な証拠に基づいた治療、またはセラピーを提供されることを期待している。

*各州や地方で施行されている通り、医療従事者国家法令で定義されている通り

ホメオパシー

ホメオパシーとは補完、代替医療の一つである。この療法は２つの主な理論に基づいている。①　健康な人に病気、あるいは症状を起こす事のできる物質は、その物質を非常に少なく投与する事で、同じ症状を持つ、健康を害した人を治癒する。②　高く希釈された物質の分子は、オリジナルの物質の記憶を保持する。

NHMRCのメソッド

ナショナル・ヘルス・アンド・メディカル・リサーチ評議会は、ホメオパシーを用いて健康状態を取り扱う事の有効性に関する証拠への評価を行った。この評価は以下の点に基づく。

・独立した契約者によって発表された体系的なレビューの概要
・ホメオパシー利益団体と国民から提供された情報の独立した評価、そして
・臨床実践ガイドラインと、他国で出版されたホメオパシーに関する政府のレポートの考察

証拠の評価は、療法が健康状態を取り扱うのに効果的であるかどうかという品質と信頼性を評価する為の標準化され、容認されたメソッドを使用した。

この作業はNHMRC内に設置されたホメオパシー作業委員会監視のもとで行われた。根拠に基づいた医療、研究デザイン、そして補完、代替医療リサーチの集合的な専門知識を前提として、ホメオパシー作業委員会は更に、証拠がどのようにして一つの情報書類から発展し、解釈されるべきかというアドバイスを提供した。アプローチ（医療技術評価に似た）は証拠の評価に対する結果を考慮するために用いられた。この意味は、治療は有効性を考慮され、プラセボ効果では説明されない健康改善に終わらなければならず、またこれらの健康改善は人の全体的な健康のために意味が無くてはならない。人々が治療を受ける際の健康改善は、偶然ではなく、いくつかの研究で一貫して見られるという証拠が必要である。

ホメオパシーに関する証拠は、人の健康状態を取り扱う際に、ホメオパシーが有効であるかどうかの評価への審査を確認する事で集められた。全体で、176の個々の研究を含む、57の体系的審査が確認された。研究は、ホメオパシー療法を使用した人達のグループと、類似したグループでホメオパシー治療を使用しなかった人達を比較することで、NHMRCによってのみ考察された（対照研究）。それぞれの健康状態において、証拠評論家は、標準、国際的に認められたメソッド、記録された数を用いた体系的審査、そして体系的審査に含まれた研究タイプのクオリティーを評価した。体系的審査によって提供された情報を使用して、批評家は、また個々の研究のクオリティーと参加者の数を評価し、そしてホメオパシー、プラセボ、あるいは他の処方に賛成の結果を偏すことのできた要因について考慮した。

ホメオパシー利益団体と一般によって、以下二つの場合において、ホメオパシー審査を考慮する一環として更なる情報がNHMRCに提出された：委託された証拠概要の前（予備提出された文献）、情報書類の草案を審査する間（公にされたコンサルテーションの提出文献）。予備提出された、また公のコンサルテーションの文献は、概要で適用された、類似のメソッドを用いて評価された。

臨床状況が概要で既に考慮されたところで、提出された文献の結果は、証拠の本文に対する結果の一貫性を調査する為に、概要の結論と比較された。臨床状況が概要で考慮されなかったところでは、提出された文献の結果は、ホメオパシーの有効性についてのいかなるコメントが作られたであろうかどうかを見るために、それらの研究デザイン、サイズ、および様々な偏見についての観点から評価された。

調査結果

リサーチからは、人々において、ホメオパシーが様々な健康状態を考慮し、取り扱うことに効果的であったという信頼できる証拠は見出されなかった：ホメオパシーは、プラセボ以上に健康増進した、もしくは、他の療法と同じ位に健康増進する原因となったという有意な結果を報告するのに十分な参加者を伴う良いクォリティーで適切に策定された研究は無い。

幾つかの健康状態に対し、研究は、ホメオパシーはプラセボ以上の効果はないと報告している。他の健康状態に対しては、ホメオパシーはプラセボ以上の効果がある、または他の療法と同じ位に効果があると報告しているクオリティーの低い研究があった。しかし、その制限を基に、それら研究は、ホメオパシーが効果があるかどうか結論するのに信頼できるものではなかった。十分な証拠がない為、健康状態を保つ為、ホメオパシーが効果的かどうかを結論付ける事は不可能であった。