ホメオパシーのマテリアメディカについて
これまでホメオパシーをご利用いただいている方々から多くよせられた質問に対して、由井会長がQ&A形式で回答しております。

Q.ホメオパシーについて科学的根拠がないという人、また以下のような認識を流布している人がいますが、由井学長にコメントをいただきたいと思いました。
「現在、ホメオパシーは日本では業として認められておらず、その有効性を示す根拠は医学的・科学的・統計学的にも証明されていないのが現状であり、その効果を疑問視する医者・科学者も数多い。しかも現代医療を一部否定するかのような考え方もあり信憑性の低さからも問題点が多い。ホメオパシーなる代替医療の有効性を科学的に証明できていない上に、ホメオパシーの学校を卒業したとしても日本国内において有効な資格が取得できるわけでもない」


A.上記の内容は事実誤認が著しく、このような噂が流布されているとしたら大変遺憾であり、認識を改めていただけるよう説明を試みたいと思います。
ホメオパシーは、ヨーロッパでは200年の歴史がある伝統ある学問(医学)であり、ドイツ、フランス、ベルギー、ギリシャ、イタリア、イスラエル、インドをはじめ多くの国で正式に医学として認めらており、医科大学のカリキュラムに組み込まれています。当然,ホメオパシーを実践する非常に多くの医師が存在しています。アメリカにおいては、かつてアメリカ医師会と製薬会社によるホメオパシーへの攻撃が激化する以前に、22のホメオパシー医科大学、100以上のホメオパシー病院、1000を超すホメオパシー薬局が存在していたという事実もあります。
イギリスでは、古くから王室御用達の健康法としてホメオパシーが長く親しまれており、エリザベス女王来日時には、滞在時のホメオパシー・ドクターを政府に要請されたことも関係者の間では知られています。チャールズ皇太子もホメオパシーの熱心な推進者として知られており、無料で治療が受けられるよう政府に働きかけを行っています。また王立のホメオパシー病院がイギリス各地に5つあり、現代医学で治らない患者が運ばれています。
インドでは、建国の父、マハトマ・ガンジー首相が、ホメオパシーを国の第一医学として推奨した経緯もあり、今もインドでは、医学といえばホメオパシー医学を示すほど盛んです。実際、2005年時点で、インドには30万人の認定ホメオパス、180のホメオパシー大学、7500の政府クリニック、307の病院があります。
ベルギーでは、1824年に、ベルギーの王 Leopold Von Sachsen-Coburgは、イギリスにホメオパシーを紹介したHervey Quin(1799-1878)を侍医に任命し、すでにホメオパシーの治療を受けた経緯があります。現在10を超えるホメオパシーの教育団体がベルギーにはあります。
イタリアでは、1820年代にはすでにホメオパシーが広まっており、現在2000人の医師がホメオパシーの教育を受けています。
韓国でもホメオパシーは自然療法の一つとして国に正式に認められています。
このように世界的にも普及しており、多くの人々に親しまれているホメオパシーですが、質問者が書かれている認識は世界の情勢と著しく乖離しており、事実確認をしていただき、ホメオパシーに関する正しい認識をもっていただきたいと思います。
では、質問者が書かれている認識ついて個別に確認していきます。

■「現在、ホメオパシーは日本では業として認められておらず」という点について。
日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)には、ホメオパス職業保険が成立しており、これが意味するところは、ホメオパスという職業が事実上、社会的に認められたことを意味すると同時に、JPHMA認定ホメオパスが、知識、技能のみならず、万一の補償においてもクライアントに責任を果たす能力を有し、プロフェッショナルな職業人である条件を満たすものであります。言うまでもなく、プロの職業人がこれを業としてなすことができることは、日本国憲法の職業選択の自由としても保障されており、何をもって、日本では業としては認められていないと判断されたのか疑問に思います。また、このように断定することは、JPHMA認定ホメオパスという職業およびその活動を否定するものであり、認識を新たにしていただきたいと思います。

■「その有効性を示す根拠は医学的・科学的・統計学的にも証明されていないのが現状であり、その効果を疑問視する医者・科学者も数多い」という点について。
前述したとおり、世界各国でホメオパシーは医学として認められており、有効性を示す根拠は、医学的に日々証明されているはずです。すなわち患者が治癒したという事実が、有効性を示す根拠であり証明です。もちろん、事実を無視した原物質がないものは効かないという意図的と思われるプロパガンダとそれを盲目的に信じ、自分あるいは他人に使用して確認することなく、一方的にその効果を疑問視する医師・科学者も少なからず存在するかと思いますが、前述したとおり、世界各国で多くの医師がホメオパシー療法を実践しており、効果をあげているという事実があります。どちらの医師の言うことに信憑性があるかは言うまでもなく明らかであると考えます。
まだホメオパシーの歴史の浅い日本でも、代替療法として、医師、獣医師、歯科医師、鍼灸師などが取り組まれている方が着実に増えています。インドでは国が医学として認めており、医師がホメオパシーを行っており、政府の研究機関もあります。フランス、ギリシャ、イタリアなど医師しかホメオパシー療法を実践できない国もありますし、ドイツでも、ハイルプラクテカという国家資格の職業があり、大学でホメオパシーを専攻した人は、ホメオパシーを使った治療を行うことができます。このように、ホメオパシー療法家は、現代西洋医学の医師とならび世界的に広く職業として普及しています。英国にも多くのホメオパスがおり、職業として普及しています。欧米、インドなどでも、200年にわたって、数多くの方がこの療法を実践してきており、臨床的なデータが数多く蓄積されている代替療法です。
ホメオパシーの理論の中には、まだ現在の科学では解明されていない部分もありますが、歴史と臨床がその証左であります。日本では一般的な「鍼灸」についても、経絡などのメカニズムについては、科学的に十分解明されているものではありませんが、まず、「治る」という事実や現象が先にきて、科学が後追いでその法則性を見つけるものです。もし、その事実や現象が、現在の科学の理論で説明できないとすれば、それは理論が不完全なのであり、事実や現象を説明できるより包括的な理論が求められるだけの話です。事実よりも理論の方が正しいなどということはないことです。
ホメオパシーの創始者、サミュエル・ハーネマンも200年前に次ぎように述べています。
「信じてもらうこと、または理解してもらうことを誰からも要求しない。私さえもそれを理解していない。しかし、十分な程に、事実がそうで、他のなにものでもない。私自身の理解以上のものを私は信じる、と、経験のみが言う」
当たり前のことですが、事実と理論が一致しないのであれば、理論が不完全だということになります。ホメオパシーを宗教的だと批判する方がいますが、事実を無視して科学的に説明できないからインチキだと決めつけるならば、それこそ盲信であり非科学的な態度であると言わざるをえません。

■「しかも現代医療を一部否定するかのような考え方もあり、信憑性の低さからも問題点が多い」という点について。
この点も大きな誤解があります。前述したとおり、ホメオパシーはインドで国の医学として認められており、また,ヨーロッパでは、現代医学の不得意な分野を補完する代替療法のトップとしてホメオパシー療法が位置づけられています。その表れとしてヨーロッパ各国では駅や空港、スーパーなどの売店でレメディーが売られているのであり、このような事実は、広く国民が支持しており、ホメオパシーの信憑性を裏付けるものと考えています。世界的に国民の支持を得られているという事実以上に、信憑性をはかる尺度はないと考えます。信憑性が低いとの認識は、ホメオパシーに対する評価として甚だ遺憾であり、この点からも認識を改めていただきたいと思います。
私どもは現代医学を否定するものではありません。また現代医学の優れた点は積極的に利用すべきと考えていますし、そのように日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)会則にも盛り込まれています。また、その旨、JPHMA会員のみならず広く一般にも情報発信しており、医療関係者も協力して、学術活動やクライアントへの対応も積極的に行っています。
ただ、現代医療の行きすぎや弊害などにもきっちり目を向けねばならないと考えています。事実、薬の乱用や副作用などの問題も含め、現代医学にも、様々な問題点があると考えています。熱などの症状を安易に薬剤で抑圧することは、体の浄化の機会を逃すものであるというホメオパシーの考え方がありますが、現在、同じような考えや現代医学の手法を一部疑問視する考えが、現代医学を学んだ医師自身からも投げかけられています。
現代医学を一部否定することが問題であるとしたら、現代医学が100%完全なものであるという前提がなければなりません。しかしこのような前提は、国民の現代医学への評価とは離れたものと考えます。だからこそ多くの国民が現代医学以外の方法を模索しているのだと考えます。そしてJPHMAとしては、現代医学の不完全さを補完できる療法の一つがホメオパシーであると認識しています。
なお、我が国には依然として現代医学を偏重し、現代医学の国家資格が万能であるかのごとき風潮がありますが、家庭におけるセルフケアを超えたホメオパシー療法はホメオパシーを十分に学んだ専門家(ホメオパス)のみが適切になしうるものであって、現代医学の医師資格を有するからといってホメオパシー療法をなしうるものではないことは当然です。これは、現代医学を十分に学んだ者のみが現代医学的処置をなしうるのと同様のことです。

■「ホメオパシーなる代替医療の有効性を科学的に証明できていない上に」という点について。
前述したとおり、ホメオパシーの有効性は多くの経験上疑う余地のないものであり、ただ残念ながら現段階の科学ではそのメカニズムが必ずしも解明されていないというに過ぎません。
なお、ホメオパシーの有効性の科学的根拠となるベンベニスト博士の論文もあります。すなわち水が物質情報を記憶するというのはすでに彼の1988年に『ネイチャー』に掲載された論文で証明されています。この論文がどうやって無価値にさせられたかの経緯は、ホメオパシー出版刊『水の記憶事件−真実の告白』にすべて書かれています。是非お読みいただきたいと思います。本書を読まれたら誰もベンベニスト博士を批判することも反論することもできなくなると思います。なお、この書籍はフランスで大ヒットした経緯があります。
また、最近では以下のような研究報告もありますのでご参考ください。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20000317307.html


■「ホメオパシーの学校を卒業したとしても日本国内において有効な資格が取得できるわけでもない」という点について。
前述したとおり、JPHMAのホメオパス認定試験に合格すれば、日本国内で有効な資格を取得することはできます。日本国内で有効な資格が取得できるわけでもないという判断は、JPHMAのプロフェッショナルホメオパスの資格認定制度そのものを否定する判断であり、当協会で資格認定を受けた約300名の認定ホメオパスの資格そのものを否定する内容であり、甚だ遺憾です。また、共同で当協会の認定制度を発足させた英国ホメオパシー医学協会(HMA)の活動や、当協会が日本のホメオパシー職業団体として加盟する国際的なホメオパシーの活動を協力して行っている国際ホメオパシー評議会(24ヶ国)の活動をも否定するような判断であり、このような事実と異なる内容が流布されているとしたら、JPHMAとしては大変残念に思います。是非、私のコメントをお伝えしていただきたいと思います。


Q.あるホメオパスが、インターネット上で次のように主張しています。
 本当でしょうか?
-「由井学長は"クラシカルは効かない""時代遅れ""ハーネマンはプラクティカルホメオパシーを目指していた"と、国内においてホメオパシー関連の情報不足をよいことに主張している」
-「由井学長は、プラクティカルと言いながらクラシカルの方法論を取り入れ、クラシカルホメオパス(著者)を友人であると公言しながら、彼らの業績を否定している」
-「由井学長は、自分の方法論こそが素晴らしいものだと主張しているが、このような行為は、ホメオパシーそのものを貶めるものであり非常に恥ずかしく思う」
-「由井学長の主宰する学校は非常に閉鎖的であり、クラシカルとプラクティカルの間、学校と学校の間、医師とそうでない人の間に妙な垣根ができている」


A.私が一貫して主張しているのは、「クラシカルはいろいろある手法の中の一つである」という当然の事実と「一つ手法に固執していては治らない患者が現代では多くなってきている」という私が観察した事実です。このように全体の話の中の一部分だけをとりあげ、批判するのは、全く公平でないと考えます。もっとも、クラシカルの方法論だけが素晴らしく、それだけに固執し他の方法論を一切認めないという態度をとる人がいるとするなら、それは問題だと考えます。
また「国内においてホメオパシー関連の情報不足をよいことに主張している」というフレーズですが、情報不足があるとすれば、それはそのように言われている方のほうだと考えます。私は最新のドイツの情報やハーネマン研究家から得た情報をもとに主張しています。
2007年に公刊されたハーネマン『全マテリア・メディカ(Gesamte Arzneimittellehre)』(Haug,2007)に寄せた巻頭の序文でアントン・ローラー(Anton Rohrer)は、最近のドイツのこうした動きについて、「ハーネマンのホメオパシーがルネサンスを体験しているかのようである」と述べています。さらに彼は、それをホメオパシーの現代の流れ(クラシカルホメオパシー)に対する「反対運動」(Gegenbewebung)であると評価しています。
そもそも私は、ホメオパスをクラシカル、プラクティカルという線引きをして見ていません。どちらかというと処方のしかたよりも、臨床経験から得られた知恵の方に価値を置いています。実際、私にとってそのホメオパスがクラシカルかプラクティカルかというのは問題ではありませんし、何の障害もありません。ですから、私はクラシカルホメオパスを否定していませんし、まして、著者である友人たちの業績を評価することはあっても否定することはあり得ないことです。私が会長を務める日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)の理念は以下の通りです。
「本協会のホメオパシーの教育理念は、一つの方法論に固執することなく、最良の方法はクライアントの数だけ個別に依存するという考え方を基本とし、クラシカル、プラクティカル等の枠に留まることなく、広くクライアント自らを治癒へと導く方法を学び続けるものである」。
また私が、「自分の方法論は素晴らしい」と自己主張をすることはありません。単に治癒したケースを紹介しているだけです。また、自己の方法論のみを主張しているのではなく、さまざまな方法論を用いながら、数多くの臨床と研究を行って、その結果改善していく事実を伝えています。もしたくさんの治癒に導かれた症例結果を報告することがホメオパシーを貶めることになると主張しているのであれば、はなはだ疑問です。事実ほど、真実を物語っているものはなく、多くの方々が治癒ケースをみて、ホメオパシーの可能性を理解され、難治の方々が希望をもつことは大切なことだと考えるからです。
それから、第一にロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー(RAH)は閉鎖的ではありません。誰でも入学することができます。他校からの転入も受け入れています。第二にJPHMAも閉鎖的ではありません。RAH以外の学校出身の方にも認定試験の門戸を開けています。クラシカルと私たちの団体、医師とそうでない人の間に垣根ができているとしたら、それは私たちの責任ではありません。すくなくとも私たちは彼らを批判したりしていません。この方がこのようなことを公に出すことがそのような垣根を作る一助になっているように思います。
もし質問内容のようなことが不特定多数の人が見るHPに書かれているとしたら、事実確認することなく独善的な批判をしていることに対し、とても残念に思いますし、それこそ日本人ホメオパスの一人として恥ずかしくも思います。


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