Dr. ジェイッシュ・ベラーレ

インド工科大学ボンベイ校、化学工学(IITB)の主任教授

ホメオパシー医学のマテリアル・ベーシス(物質的根拠): 電子顕微鏡によるナノ粒子とホルミシスによる生物活動

高ポーテンシーのホメオパシーレメディーにおける物理的物質の存在、その構造と作用機序は、ホメオパスや他者にとって大きな関心のあるトピック。 これは主に、日常、治療に使用されている30c、200c、および1Mのポーテンシーで発生する10の60乗、10の400乗、および 10の2000乗という超高希釈係数によるものである。これを説明しようと試みる為、 液体の記憶、包接体形成、量子物理、シリカ仮説のような幾つかの仮説があるが、論争の余地の無い実験的証拠はなく、その作用の基礎は、未だに解決されていないままである。

私達の研究は、金属からのレメディーと無機物からのレメディーに対して、高ポーテンシー/希釈にも関わらず、金属と無機の原物質が残っている事を証明している。透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、無機塩がナノおよびマイクロ形態で存在し、ケイ酸塩が溶液中の原物質をコーティングおよび保持するのに重要な役割を果たすことを示している。その製造過程と振盪に使用される道具は、観測効果を生み出すのに重要である。TEM画像は、ケイ酸ナトリウムで囲まれた無機塩コアで構成されるコア シェル形態を示す。Natrum mur.とKali mur.のどちらもケイ酸塩のコーティングを持つことが観察されている。ケイ酸塩コートは、これら粒子を一緒に保持するのに役立つ。私達は、振盪中のケイ酸塩コーティングの起源とメカニズムについて説明する。

制限視野電子回折(SAED)およびエネルギー分散分析(EDS)は、関連する無機塩およびその周囲のケイ酸塩の同時存在と一致するパターンを示す。 TEM中のケイ酸塩被覆粒子は、ナノバブルを取り込むために利用可能なメソ細孔性チャネルを明らかに示す。細胞株を用いた生物学的実験は、ホルミシス作用と一致して、ある種の物質ではかなり低い濃度で生物学的効果があることを示している。従って、私達は、ホメオパシーとナノテクノロジーとの関係を検証し、更に重要なことに、ホルミシスと一致して、レメディーの物質的で生物学的な基盤を確立する、それは、未知または神秘的な力に頼ることなく、レメディー作用に対する機械的、物質的根拠に導く事ができるだろう。

参照:
1. Chikramane PS, Suresh AK, Bellare JR, Kane SG Homeopathy 2010; 99: 231-242.
2. Chikramane PS, Kalita D, Suresh AK, Kane SG, Bellare JR. Langmuir 2012; 13(28):15864-15875.
3. Temgire MK, Suresh AK, Kane SG, and Bellare JR, Homeopathy 2016; 105(2):160-172.
4. Chikramane PS, Suresh AK, Kane SG,Bellare JR. Homeopathy (2017) 106, 135-144
5. Basu A, Suresh AK, Kane SG, Bellare JR, Homeopathy (2017) 106 (4), pp. 240-249.