国内来賓講演

国内来賓講演

印鑰智哉(いんやく ともや)

■プロフィールアジア太平洋資料センター(PARC)、ブラジル社会経済分析研究所(IBASE)、Greenpeace、オルター・トレード・ジャパン政策室室長を経て、現在はフリーの立場で世界の食と農の問題を追う。ドキュメンタリー映画『遺伝子組み換えルーレット』(2015年)、ドキュメンタリー映画『種子ーみんなのもの? それとも企業の所有物?』(2018年)いずれも日本語版企画・監訳。『抵抗と創造のアマゾン−持続的な開発と民衆の運動』(現代企画室刊、2017年)共著で「アグロエコロジーがアマゾンを救う」を執筆。

印鑰智哉さんのブログ
http://blog.rederio.jp/

講演タイトル

「健康・環境を破壊する遺伝子組み換えの最新バージョン「ゲノム編集」は何をもたらす?
ー種苗法改定は何を意図しているか、未来を作る自然農法はどう拡げる?」

遺伝子組み換え作物は南北米大陸の環境を破壊し、遺伝子組み換え食品は世界の人びとの健康を害してきましたが、人びともその被害を知り、その拡大は止まりつるあります。その農業を支えてきたモンサント(現バイエル)の除草剤ラウンドアップに対しても多くの人たちがその被害を訴え、欧米のスーパーでは個人向け販売を停止するところが多くなってきました。
いよいよこの問題から解放されるその時が来ることが期待されたわけですが、新たな技術を使って、この遺伝子組み換え農業の存続が図られようとしています。それがこの「ゲノム編集」になります。
「ゲノム編集」は遺伝子などの研究にはとても有効なツールですが、従来の遺伝子組み換えと同様に、生命には大きな影響を与えてしまうため、研究室の外に出してはいけない技術だといわざるをえません。
しかし、日本政府は昨年10月、安全確認の実験もなく、「ゲノム編集」による作物の栽培、食品の流通を表示もなく認めてしまいました。その結果、遺伝子操作されているかどうか、タネを買う時も食品を買うときも農家も消費者も知ることができない状態に置かれています。
おりしも、今、日本政府は農家の登録品種の種苗の自家増殖をすべて一律に許諾制にする種苗法改正を行おうとしています。今後の日本の農と食に今は決定的な時期にきています。将来の世代のためにわたしたちが何をするかが問われています。
「ゲノム編集」食品の何が問題かを考えます。そして、現在の野放し状況を変えることはどうやればできるのか、考え、実行していきましょう。

発表レポート