ホメオパシーのマテリアメディカについて

『世界の一流有名人がホメオパシーを選ぶ理由(ホメオパシー出版刊)』

デイナ・アルマン著
由井寅子日本語版監修
宮本真紀訳

2010年10月1日ホメオパシー出版より刊行予定
Original title :Homeopathic Revolution : Why Famous People and Cultural Heroes Choose Homeopathy
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わたしの考えでは、世の人々がホメオパシーの原則を認めるのをためらう原因は無知にある。しかし人の命がかかっている場合の無知は罪である。ホメオパシーの真実を知っている者は、――正直な者であればなおさら――それを認めざるを得ない。選択の余地はないのである。ホメオパシーに正面から向き合うことになったとき、わたしはホメオパシーの信奉者になるよりほかなかった。

正直な人間であり続けたいと願うなら、そうするしかなかったのである……。真実はいかなるときも順守を要求し、別の選択肢を用意してはくれないのだから。
――ジョン・ワイアー卿(Sir John Weir)   四代にわたるイギリス国王をはじめとする六人の君主の侍医を務めた医師

謝辞(略)

序文

本書においてデイナ・アルマン氏は、ホメオパシーを愛用し、ホメオパシーを支持してきた著名人や文化的英雄を驚くほど幅広く紹介し、ホメオパシーの歴史的、地理的な広がりを鮮やかに描き出している。マハトマ・ガンジー、一九九八年のサッカーW杯で優勝に輝いたフランス代表選手、ショパン、シェール、チャールズ・ダーウィン、J・D・ロックフェラー、前ローマ法王ヨハネ・パウロ二世、数世代にわたる英国王室一家、過去一五〇余年間に就任した一一人のアメリカ歴代大統領……。これらはほんの一握りである。なんとそうそうたる顔ぶれだろう。だがホメオパシーは金持ちや有名人だけの保護区ではない。ホメオパシーは庶民のあいだでも広く使われ、現在、インドだけでも訓練を受けたホメオパシー療法家が二〇万人以上もいる。

しかし、その人気の高さと恒久性にもかかわらず、ホメオパシーはこれまで折に触れて、科学界や医学界の論争で猛攻にさらされ、現在でもその状況は変わっていない。世界屈指の医学誌『ザ・ランセット』は二〇〇五年、無記名の論説で「ホメオパシーの終焉」を宣告した。これを読んだわたしの頭に浮かんだのは、マーク・トウェイン(彼もまたホメオパシーの愛用者だった)が送った電報の一文――「ワタシノ死亡ガタイソウ大ゲサニ報ジラレテイルヨウダガ」――だった。

もちろん、ホメオパシーの恩恵を受けたとして本書に取り上げられている各界の人物たちが、才能豊かで、知的で、自由な精神の持ち主だからといって、それだけで科学的議論を構成するわけではない。しかし「火のないところに煙は立たない」的な議論としては、説得力がある。ホメオパシーは極度に希釈した薬を使うことから、「効くわけがない」と揶揄される。だが、もしホメオパシーの効き目が本当に気のせいなのだとしたら、多方面で活躍する卓越した人々が、これほど長期にわたってホメオパシーを信奉するものだろうかと考えると、それほどありえないこととは考えにくい。その間にも、ホメオパシーの現実的かつ有益な治療効果を示す根拠や、そのような効果がもたらされる理由を示す科学的解釈は、着実に積み重ねられている。

この話には、暗い過去も影を落としている。アルマン氏も明らかにしているように、二〇世紀初頭、アメリカのホメオパシーは、金や欲の渦のなかで、ほぼ壊滅状態に追い込まれた。ホメオパシーを教える医学校や医学部は全米各地に二二校あったが、一九一〇年に「フレクスナー・レポート」が公表されたのを機に、そのうちの一九校が閉鎖された――しかも、黒人を対象とした七校の医学部のうちの五校、女子の医学部に至っては一校を除いてすべて閉鎖された。その結果残ったのは、人種的にも(白人)、性別的にも(男性)、診療スタイルにおいても(投薬をベースとする治療)均質的な、少数の裕福な医師だった。

だがホメオパシーの立ち直りの早さは驚異的だった。例えば、一九世紀にオーストリア・ハンガリー帝国が課した禁止令からホメオパシーがいかに返り咲いたかについては、アルマン氏が詳述している通りである。また近年、ホメオパシーはアメリカで力強くカムバックを遂げ、一九九〇年から一九九七年にかけて五〇〇パーセント増という驚愕の使用量の伸びを示した。だが歴史は現状を楽観視してはならないことを教えている。二〇世紀初頭にホメオパシーを激減に追いやった勢力は消滅したわけではない。ホメオパシー薬に用いられる極めて低濃度の物質が何らかの効能を及ぼし得ることをおよそ理解できない医学界の多くの人物は、依然としてホメオパシーに懐疑的なまなざしを向けている。だが歴史は別のことも教えてくれている――どんなに立派といわれる教授の意見であっても、後世が見いだす新たな知見への案内役としては、たいして当てにならないことを。

アルマン氏が紹介する多くの偉人がはるか昔から心得ていたことを、ホメオパシーはいつの日か、医療界や科学界にも納得させることになるだろう。ホメオパシーは比類なき可能性を秘めた医術であり科学なのである。

ピーター・フィッシャー
ロイヤル・ロンドン・ホメオパシー病院臨床部長
イギリス国王エリザベス二世の主治医

    ●日本語版監修者まえがき

  • 日本語版監修者まえがき

  • ●序章

  • 序章

  • 従来型医学の真の限界

  • 現代医学はどの程度科学的か

    ●第一章

  • ホメオパシーはなぜ理にかなっていて、効果があるのか

  • ホメオパシーを理解する

  • 症状の知恵――現代生理学とホメオパシーの根底にある原理

  • 病気ではなく症候群を治療の対象とする

  • ホメオパシー薬――ナノドースの強力な効果

  • ホメオパシー薬はどのようにして作られるか

  • 共鳴の法則とそのパワー

  • ナノドースの力を裏付けるその他の根拠

  • ホメオパシーの臨床上の根拠

  • ナノドースについて可能な解釈

  • 量子医学(Quantum Medicine)

    ●第二章

  • ホメオパシーが嫌われ、中傷される理由

  • 一九世紀アメリカにおけるホメオパスヘの攻撃

  • 一九世紀ヨーロッパにおけるホメオパスへの攻撃

  • 一九世紀のアジアにおけるホメオパスへの攻撃

  • オリヴァー・ウェンデル・ホームズと彼のホメオパシー批判

  • 現代のホメオパシー批判

  • 科学と医学の進化

  • わたしには夢がある