平成22年2月22日(月)、日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)由井寅子会長が、長妻昭 厚生労働大臣、及び、厚生労働省 統合医療プロジェクトチーム宛に「ホメオパシーについての提言と説明資料」を提出しました。

【経緯】
政府が「統合医療」推進の国家プロジェクトを2010年2月5日に設置。 ホメオパシーを含めた統合医療について本格検討を開始。鳩山総理が1月の所信表明演説で「統合医療の積極推進」を国の方策として掲げました。厚生労働省では、長妻大臣が1月28日の参院予算委員会で、統合医療に関するプロジェクトチームを省内に設置する意向を示し、2月5日、ホメオパシーを含む代替療法の有効性確認、将来の資格制度化や健康保険適用など統合医療の今後の取り組み方を総合的に検討する「統合医療プロジェクトチーム(PT)」を発足するとともに同日初会合を開き、2月26日を期限に同プロジェクトで受け付けた要望書等によって、統合医療における調査を実施することとなりました。

由井会長これを受けて、日本ホメオパシー財団・日本ホメオパシー医学協会(以下JPHMA)は厚生労働省のプロジェクトチームと確認をとり、担当者の要請に応え、「ホメオパシーに関する提言と説明資料」を提出しました。

提出の趣旨と要望はこちら

提出資料の中ではホメオパシーにかかわる有効性(症例集やエビデンス)、海外での普及・活用状況、教育及び資格認定制度の実態、日本での活用状況や利用者実態調査結果、また日本で唯一ホメオパス職業保険を持つ団体として資格認定制度への提言、ICHなど海外ホメオパシー団体からのホメオパシーに関する推薦文などを盛り込み、ホメオパシー統合医療への提言と申請書として、長妻厚労相とプロジェクトチーム宛てに200ページを超える報告書として提出しました。合わせて、臨床での治癒事例としてのDVD映像(症例集)や一般の方向けの講演会「症状はありがたい」のDVD説明資料を添付いたしました。 また、寄せられたホメオパシーYES! 約1万人のアクションホメオパシー署名も持参し、今、多くの国民がホメオパシーを必要としていることを訴えました。

ホメオパシーが本格的に国に導入される日も近いことと思いますが、その過程ではさまざまなことが論点となるでしょう。

  • ICHからの推薦文(和訳)はこちら(クリックで和訳が開きます)
  • 海外からの推薦文はこちら(クリックでPDFファイルが開きます)


統合医療に関するプロジェクトの スタートに
日本ホメオパシー財団・日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)会長 由井寅子

平成22年2月22日に私は、長妻厚生労働大臣と厚生労働省統合医療プロジェクトに、統合医療の提言と申請書を提出いたしました。 統合医療プロジェクトチーム(PT)にお願いしたことは、次のとおりです。


1.ホメオパシーとは何か? その有効性と日本の現状について理解していただきたい。



2.ホメオパシーの治癒の実例は世界的にも認められているが、さらにホメオパシーが国民に広く認知され普及していくために、科学的な研究・検証の必要性があれば、国の協力が必要である。



3.JPHMAは日本で唯一ホメオパシー職業保険を有する団体であり、日本国全体を考え、統合医療のさらなる認定レベルの維持・向上に向けて、ホメオパシーの国家資格化を進めていただきたい。



4.ホメオパシーに関しては、現代医学とは別のホメオパシー領域の専門家が必要である。ホメオパシーの専門知識、経験、技術が一定レベルに達している者に対して、専門資格を与えることが必要であり、現代医学の医師だからといってホメオパシーが安易に行えるわけではなく、ホメオパシーを専門的に学んだ者(専門家)が行うことが必要な療法である。 日本国民の健康のためにホメオパシーを日本に根付かせ普及させていくためには、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師でなければホメオパシーを行ってはならないという日本ホメオパシー医学会(JPSH:2000年設立)と、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師のみならずそれ以外の者もホメオパシーの専門家として行うことができるという日本ホメオパシー医学協会(JPHMA:1998年設立)が、お互いに歩み寄り力を合わせることが必須であると考える。



5.国民の健康、医療費の削減に向けて、現代医学の医療機関とホメオパシーの専門家(ホメオパス)が連携していくことが大切である。



6.ホメオパシー療法が国に認められることによって、患者がホメオパシー療法を代替療法の一つとして選択することができるようになる。そのために、さらに広く国民にホメオパシーの恩恵が行き渡るためには、健康保険適用が必要である。




加えて、上記についての検討資料を提出いたしました。 この統合医療プロジェクトへの提言に際しては、海外の多くのサポーターからすぐにJPHMAの私のもとへホメオパシーの推奨文が届きました。

アーロン・ワード・アサートン卿実際にホメオパシーを統合医療として推進している現役の医師の方や、海外からは、2008年のJPHMAコングレス(学術大会)に来賓として出席いただいた英国貴族院 英国国民健康保険補完医療課アーロン・ワード・アサートン卿から、そして、日本が加盟するホメオパシーの最大の団体であり世界28カ国のホメオパシー職業団体が加盟するICH(ホメオパシー国際評議会)ECCH(欧州ホメオパス中央評議会)からも推薦状が届きました。ICHからは、日本ではICHの正式メンバーであるJPHMAによるホメオパシー健康相談がホメオパス職業保険のもとで行われ、すでに確かな実績を残しており、日本政府のプロジェクトでのホメオパシーの検討の場にはJPHMAを参加させるようコメントもいただきました。

またこの申請書の中には、とらのこ会員の皆さまにご協力いただいてJPHMAが実施した、日本におけるホメオパシー利用者実態調査の報告、ならびに、1万人に上るアクションホメオパシー「ホメオパシーにYES」の署名を盛り込みました。こうしてホメオパシーを必要としている国民の声を、しっかりと統合医療プロジェクトに伝えることができましたことをご報告申し上げるとともに、とらのこ会員の皆さまをはじめホメオパシーを利用している皆さまに、あらためて心から感謝とお礼を申し上げます。

今年は、私が日本でホメオパシー講演会、ホメオパシー健康相談会をはじめて15年目の年となり、日本に帰国後、招聘されて国会の議員会館にて100名の国会議員の前でホメオパシーについて講演してから11年になります。

今回、政府が統合医療検討のプロジェクトをスタートさせることは、統合医療においてホメオパシーが国に認められる大きなチャンスでありますが、国に提言と申請書を提出するという機会をいただいてみますと、その実現のためには、考えていかなければならない課題や取り組んでいかなければならない行動も少なくないということをあらためて認識しました。

自己治癒力を触発するホメオパシーは素晴らしい療法・健康法であり、すべての国民にその恩恵を受ける権利があると私は考えています。
しかし一方で、ホメオパシーを実践していくと、クスリやワクチンなどに過度に依存することがなくなり、医師や医療機関への依存が少なくなるので、医療費の削減につながることから、海外のホメオパシーを使う国の多くでは、ホメオパシーは製薬会社や医療の利権に関わる団体から徹底的に嫌われ、バッシングを受けています。加えて日本では、目に見えないものは信じないという人々や、既存の科学で証明不可能な領域は信じないという人々から、ホメオパシーはトンデモ科学であるとかインチキだというレッテルを貼られ、誹謗・中傷されているという事実もあります。

ホメオパシーが日本人のためにこれからこの国に正しくしっかりと根付いていくためには、ホメオパシー療法の素晴らしさを知る皆さん一人ひとりの行動が欠かせません。

統合医療展エイジングケア2010今年2月に東京ビッグサイトで行われた「統合医療展エイジングケア2010」では、セントマーガレット病院で現代医学とホメオパシーが協力してホメオパシー統合医療を推進しているケースについて、統合医療担当の酒向猛医学博士とジョイントで発表を行いました。多くの方に来ていただき、満席で立ち見も出るという盛況ぶりで、最近ホメオパシーへの関心が特に高まりを見せていることを肌で感じました。

その発表で私は、ホメオパシー医学と現代医学はその長所とする分野を相互に活用し、短所となる分野を補い合って、協力して国民の健康に貢献していくべきであるという、従来からの考えを述べました。

今回の政府の統合医療プロジェクトへの報告でも、ホメオパシーをしっかりと理解している現代医学の専門家である酒向医師のような医療関係者と協力して、現代医学の長所である救急救命技術、検査技術、手術、入院治療などと、ホメオパシー統合医療の長所である、自己治癒力を触発することで心、体、魂から根本的に健康になっていく部分が結び付くことが最も効果を発揮するとして、セントマーガレット病院と提携したJPHMAのホメオパス健康相談事例を、今後の日本でのホメオパシー統合医療のモデルケースとして紹介しました。

ホメオパシーは現代医学とは全く異なるもう一つの医学の専門体系として発展してきたものであり、ホメオパシー医学の体系を深く学んだ専門家がホメオパシー療法を行うことが、もっともクライアントの利益に合致すると考えています。そういった意味では、たとえ医療関係者であっても、ホメオパシーをきちんと学んでいない者がホメオパシーを行うことは国民の利益にはならないと考えており、ホメオパシー医学を教えるRAHでは、現代医学の医師や医療関係者の方々も、一般の方に混じって机を並べて一からホメオパシー医学を学んでいただいています。

ホメオパシー統合医療専門校(CHhom)この5月に、日本で、ホメオパシー統合医療専門校(CHhom)がホメオパシー統合医療の専門家を養成する教育機関としてスタートすることは、時代の要請に適ったとてもタイムリーなものであると考えています。

統合医療(ホリスティック)の考え方によれば、病気は、医師やクスリが治すものではなく、ホメオパスやレメディーが治すものでもありません。医師やホメオパスはクライアントと対等なパートナーであり、一人ひとりの「自己治癒力」が病気を治癒に導くのです。

しかしながら今日の日本では、自分の健康は自分の責任で守るという基本が忘れられているのではないかと思います。薬や医療に対して過信をしすぎ、自身の健康に責任を持たず、本当の健康とは何かを深く考えなくなってしまっていると思います。自分や家族の健康を医師やクスリなどに委ねてしまっていては、健康に対する真の気づきを得ることは難しいと思います。医聖ヒポクラテスが言ったように、一人ひとりが「自分の中には100人の自己治癒力という医師がいる」ということに気づくことが大事なのです。

今までホメオパシーを愛し、大切に思い、実践してきてくれたとらのこ会員の皆さまのためにも、また日本国民の皆さんのためにも、国がこの私たちの趣旨を理解し、ホメオパシーが日本の国を救うことにつながる大切な療法であると認識してくれること、さらにホメオパシーを含めた統合医療が最も望ましい形で日本に定着することを強く希望するものです。

それは、ホメオパシー、現代医療、鍼灸などさまざまな統合医療の専門治療が、それぞれの専門性を活かしながら専門家により適切に行われ、国民が自主的に望む治療法を選択できるようになること。そして、治療者側もそれぞれの療法の優れたところを理解し補完し合いながら、患者の意向を尊重して対応していけるような統合医療体制が日本に実現することです。

英国国会で最も安全な療法であると決議されたホメオパシーが日本国民に広く行き渡り、健康保険が適用できるようになり、ホメオパスが国家資格となることを私は切に願っています。

その実現に向けてJPHMAでは今後もさまざまな働きかけをおこなってまいりますが、国民の願いを国に伝えていくためには、“ホメオパシーYES”の署名が何よりも強い力となります。これからも、さらなる皆さまの気持ちを“ホメオパシーYES”の形にしていただきたいと思います。

みなさん、ホメオパシーを日本に根付かせるために一緒に頑張りましょう。



             日本ホメオパシー財団・日本ホメオパシー医学協会 会長

                                        




(リンク)日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)理事一同からのメッセージ