日本ホメオパシー財団 日本ホメオパシー医学協会 '09.9.12(土)13(日) 第10回コングレスin京都
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講演内容

「現代人の心の闇 インナーチャイルドを救うホメオパシーの可能性
−心理カウンセラーとしての経験と症例から−」

演者:斉藤啓一(心理カウンセラー・哲学者)

現代ほど、他者との触れあいやコミュニケーションが大切な時代はない。社会問題となっている異常な犯罪、また年間3万人を超える自殺といった心の闇の根底には、他者との触れあいの希薄さ、言い換えれば「孤独」があるように思われる。 ホメオパスにとっても、他者との触れあいは重要な課題だ。なによりも、それなくして適切なレメディの処方はできない。
クライアントと触れあうには、お互いに心を開く必要がある。人は、他者に対して潜在的な恐怖を持っていると心を開くことができない。攻撃されるのではないかと警戒し、自分を守るために壁を作ったり、距離をおいてしまうからだ。したがって、まずはホメオパス自身の心から、あらゆる攻撃性、怒り、拒絶、批判の気持ちを排除していく必要がある。
次に大切なのは、クライアントを深く理解して共感する姿勢だ。人は、自分を理解してくれる人には心を開くようになるからだ。
そのアプローチは、いうまでもなく肉体的な面(症状)と精神的な面に向けられることになるが、もうひとつ、「霊的な面」も忘れてはならない。
霊的な面へのアプローチとは、クライアントの抱える病気が、どのような意味を持っているのかを深く理解することである。
なぜなら、病気という運命が訪れたのは、その人に成長や気づきをもたらすため、あるいは何らかの意義ある使命に目覚めさせて、その方向に進ませるという理由が潜んでいることが少なくないからである。
もし、そのために病気になったのなら、このような霊的な面を解決してあげない限り、病気は治らないだろう。たとえ治すことができたとしても、安易に治してはいけない可能性さえ出てくるかもしれない。
すなわち、ホメオパスは単なる「レメディの処方家」であってはならず、霊的な成長を促す触媒としての役割も、担っていかなければならないということである。 私の臨床的な経験でいうと、霊的な面を解決した人は、すべてをありのままに受け入れる「受容」、他者への「感謝」、そして「愛」の大切さに気づくようになる。実際、こうした境地に達すると、病気が治癒、少なくても改善に向かっていくケースが非常に多い。
肉体・精神・霊性の三位をもって他者と触れあうことが、治癒の真髄である。そのような理念を持ったホメオパシーは、現代社会をおおう心の闇を消し去る光となることは間違いない。