2010.09.26(日)大会長の挨拶~前日のハイライト
昨日とは打って変わり、秋らしい気配の漂う雲ひとつない青空に恵まれた茨城県つくば市。コングレス2日目は、全国のホメオパスによるケース発表からスタートしました。
スタートには昨日のハイライト特集の映像が流され、由井寅子コングレス大会長の挨拶から2日目のプログラムが始まりました。
学術ケース発表(午前の部)
演者:伊藤知子 東京本部ホメオパス JPHMA認定ホメオパス No.230 |
1つ目のケースは、日本ホメオパシー東京本部の伊藤知子ホメオパスによる「Lach.が怒りをともなう母子関係に合っていたケース」です。 母親への怒りを伴う葛藤を持つ方にLach.が合うケースが多くみられたという事で、ハーネマンのマテリア・メディカも参考にしながら、5名のLach.(ラカシス 毒蛇を天文学的に希釈して叩いてつくられたレメディー)を使用したケースが紹介されました。表に現れている症状だけでなく、クライアントが心の奥底に持っている感情を読み解いてレメディーを選択し、異なる症状を持つクライアントの方々が次々と改善していく様子はLach.というホメオパシーではよく使われるレメディーの新鮮な症状像を魅せてくれる興味深い発表となりました。 |
演者:松尾敬子 日本ホメオパシーセンター埼玉日高ホメオパス JPHMA認定ホメオパス No.153 |
日本ホメオパシーセンター埼玉日高に所属の松尾敬子ホメオパスによる「皮膚湿疹、花粉症、及びリウマチが同時に改善したケース」では、草むしりをされた後
に出た湿疹を多くのクスリで抑圧した後に皮膚湿疹の症状がさらに悪化した方がとりあげられました。 由井会長の3次元メソッドやハーネマンのマテリア・メディカに基づくTBRにより、クスリの影響を考慮したレメディーを出したところ、激しい排出を経て、皮膚湿疹が短期間で改善し、併発していた花粉症、及び リウマチまで改善しました。クスリの副作用のケアだけでなく、心をサポートするレメディーを同時に出した事により、好転反応中の精神的負担が和らぎ、よい結果に導くことができた実践的なケースとなりました。 |
演者:岡本祥子 東京本部ホメオパス JPHMA認定ホメオパス No.011 |
続いて日本ホメオパシー東京本部の岡本祥子ホメオパスによる「潰瘍性大腸炎が高熱と皮膚発疹を経て改善したケース」は、由井会長の3次元メソッドを応用す
ることで、潰瘍性大腸炎という難病が適切なレメディーの選択で「高熱」という好転反応を経て改善していったケースです。 潰瘍性大腸炎が改善した後に、クスリの副作用のケアを含めてフォローを行っています。特に現代医学でも難治とされる潰瘍性大腸炎がホメオパシーで治癒に導かれる場合には、高熱などの激しい 好転反応を出して改善するケースが多く、背後あるマヤズムの考え方をきっちりと習得し実践することの重要性を感じさせられる発表でした。 |
演者:麻野輝恵 大阪本部ホメオパス JPHMA認定ホメオパス No.070/ 同認定アニマルホメオパス |
日本ホメオパシーセンター大阪本部の麻野輝恵ホメオパスからは「親のとった薬の影響が子どもに引き継がれるケース」が発表されました。 生後3カ月頃より激 しい湿疹が出てしまった乳児に対して、妊娠・出産中の母親の怒りの感情と母親がとった薬に焦点を合わせ、由井会長の3次元メソッドを応用してレメディー選択を行いました。様々な排出や好転反応を経て、遅れ気味だった心と体の発育も含め、皮膚も改善し、本来のつるつるの肌を取り戻すことができたケースです。 |
記念講演の様子
続いて、セントマーガレット病院で統合医療を実践し、カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー(CHhom)で、臨床病理についても講師をされている酒向猛医師の記念講演がスタートしました。
酒向猛医師は、癌治療や食事療法などをとりいれた統合医療を実践されていますが、今回は、ホメオパシー医学を学ぶものが現代医学の病理学とともに学ぶべき専門の腸造血説「千島学説」についての講演となりました。千島学説でも明かされたように、慢性病を治癒に導くには、「腸造血説」や「正気論」といった原点の部分から現代医学を見直す必要があります。このような理論に整合したホメオパシーは非常に可能性のある療法で、今後日本での統合医療推進の中で主要な位置を占めるのではないかという期待が述べられました。
酒向先生ならではの示唆と叡智に富んだ講演となりました。
次に日本綜合医学会理事で、自然治癒力を触発する血液循環療法の日本での第一人者である大杉幸毅学院長による記念講演が行われました。
大杉氏も、千島学説を研究するメンバーの1人であり、現代医学では取り扱われない「汚血」の改善に関する講演が始まりました。自己治癒力を触発する手技の「血液循環療法」の特徴が語られた後、実際に施術後に血液の状態が明らかに改善される位相差顕微鏡の画像を皆、驚きの表情で見ていました。
食事療法などとともに、このような自然治癒力を触発する手技療法との連携が進むことでさらにホメオパシーの効果も高まることが期待されます。
昼食休憩時には、昨日に引き続き、全国で活躍するJPHMA認定ホメオパスのケースがポスター発表の形式で行われ、昨日からの80以上のケース発表にも皆さん熱心にメモを走らせ、発表に聞きいっている姿が印象的でした。
財団認定証授与式、記念撮影
午後の部は、昨年のコングレス以降、新しく認定されたJPHMA認定ホメオパス99名、認定アニマルホメオパス24名、計123名の認定状交付式が行われました。認定ホメオパスを代表して、ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシーを卒業後、今年6月にJPHMA認定ホメオパスとなり、今夏よりホメオパシー健康相談の活動をスタートした砂田裕一ホメオパスが感謝の言葉を述べました。
砂田ホメオパスからは、今回のコングレスで、先輩のホメオパシー治癒ケースの発表から大きな勇気を頂く事が出来たこと、また今回来賓の方々の素晴らしい発表を聞いて大変触発されたこと、そして1日も早く先輩ホメオパスに近づけるよう努力していきたいと、新しく認定されたホメオパスを代表して決意表明がありました。
ワークショップ(午後の部)
ワークショップでは、日本ホメパシーセンター静岡浜松の鈴木優子ホメオパスが「特別支援学級を勧められた子供が一般学級に適応したケース」を発表しました。
由井会長が発達障害へのホメオパシー的アプローチ法を開発して以来、国内外の多くのホメオパスがこのメソッドを活用し、ホメオパシーで発達障害に対して成果が上がってきていますが、それを代表する形での発表となりました。ホメオパシーの発達障害のメソッドと、子どもの心のトラウマをケアするホメオパシー、マヤズムを含めた3次元メソッドを併せて使うことで改善していった事例は、発達障害の家族にも希望を与える発表となったのではないでしょうか。
学術ケース発表の様子
そして、由井大会長の「難治疾患 小児におけるホメオパシーの治癒事例」の学術発表に移りました。小児の現代医学の難治疾患を治癒に導くには、ホメオパシー医学におけるマヤズム理論を理解することが必要になってくるとして、まずマヤズムについてわかりやすく解説して頂きました。
発表では、実際に治癒に導かれた「てんかん」「多動」「心臓中核欠損」などの小児の難治疾患の7つのケースについて、ホメオパシーでのアプローチにより、次々と改善していくケースがDVD映像とともに紹介され、難治疾患へのホメオパシーの大きな可能性に参加者は驚きの表情で見入っていました。また、実際にお子様の「てんかん」がホメオパシーで改善されたお母様が会場におられ、マイクで発言され、ホメオパシーというものが、このような難治疾患を抱える家族にとって、希望の灯を与える療法であることを印象づける発表となりました。
また、ハーネマンの著作、「オルガノン」や「慢性病論」などをドイツ語原典から学び直し、日本での臨床の試行錯誤の経験からたどりついた由井会長のホメオパシー3次元処方についても紹介されました。
①ホメオパシーの治療の中核のレメディーに加え、
②病気の遺伝的傾向をカバーするマヤズムのレメディー、
③臓器をサポートするレメディー、
④心の背景を支えるレメディー
⑤クスリの副作用など医原病などのフタをとるレメディーを組み合わせることで、自閉、多動などの発達障害のクライアント82名に対しての実績では89%という高い改善率(健常児に5%、顕著に改善44%、改善40%)を示していることが発表されました。
現代の難治疾患において、由井学長のホメオパシー3次元メソッドの有効性を示す発表となりました。このことは、治癒率の低下傾向にあった現代のホメオパシーにも大きなインパクトを与える発表であり、海外の参加者からも大きな賛辞が送られました。
パネルディスカッション
続いて、コングレス恒例のパネルディスカッションに移りました。
心理カウンセラーで来年よりカレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー(CHhom)で講師をつとめる斉藤啓一氏からは今回のホメオパシーバッシングについて、人は得体の知れないものに恐怖をもつので、このようなコングレスなどを通じてホメオパシーの臨床成果が日本でも医療界をはじめ多くの方にひろがっていくことが解決につながるというコメントがなされました。
NPO法人ガンSTOP運動に取り組まれている新納代表は、今回のホメオパシーのコングレスでの発表に感銘され、市町村などの単位でホメオパシーが取り入れられ、千島学説や統合医療的な活動が取り入れられることで、ひとつの「点」から健康革命を起こしていくことが、現代医療の大きな改革につながることを「竜馬伝」の薩長同盟を例に今後の可能性を話されました。
スティーブン会長からは、今回のコングレスが、ホメオパスの治癒ケースの発表、医師や各種療法関係者の発表を含め、とてもファンタスティックなものであったと絶賛され、他のパネリストからもホメオパシーのすばらしさや可能性についてのコメントが相次ぎました。
ICH旗 授与式
大会長の由井寅子JPHMA会長からは、今回の開催に関しての御礼とともに、ホメオパシーバッシングのあった今の時期に、会員の皆様にも支えられ、このように盛大にすばらしいコングレスが開催されたことは感激であり、このバッシングをきっかけに会員がこれまでも強い絆で結ばれたこと、そして、日本では、JPHMAと立場を異にしてきたクラシカルの団体の方も複数今回のコングレスには駆けつけて頂いたこと、そして医師や他の療法家の方々などにも支えられて今回のコングレスが開催されたことが日本のホメオパシーに未来につながる大きな成功であったと、感謝の言葉がありました。
その後、日本のホメオパシーの発展に大きな貢献を果たされた功績への感謝を込めて、今年はICHのグウィネス会長、ICHとECCHのスティーブン秘書官、そしてセントマーガレット病院の酒向猛医師に対して、JPHMAの名誉会員の栄誉が与えられました。
引き続き、来年10月8日から10日まで3日間にわたり、日本のつくばに30ヶ国以上のホメオパシー関係者が集まり開催されるJPHMAとICHがジョイントのホメオパシー国際カンファレンスについて発表がありました。「世界のホメオパシー団体が日本で1つになる」ICHの日本開催のとても意義のあるイベントに向けて、ICH旗が、グウィネス会長から、初回開催国の日本のJPHMA由井会長に手渡されました。
ICH旗とともに、参加者全員の記念ビデオ撮影が行われ、世界のホメオパスに向けて国際カンファレンスに関して、グウィネス会長、スティーブン秘書官、由井会長のメッセージが送られました。
閉会の言葉は、JPHMAの創生期から、協会の活動を支えてきた小島理事から、「すばらしかった今回の大会の振り返りと、今日から、来年の世界大会成功に向け、JPHMA会員ひとりひとりが準備をスタートしていこう」という宣言がなされました。
なお、閉会後、ICH、JPHMAジョイントのプレス会見が行われ、2011年の日本でのホメオパシー国際カンファレンスについてグウィネス会長が、世界でホメオパシーが大きく広がる潮流から見た日本の状況について話されました。また、今回の日本におけるホメオパシーバッシングに対する見解をスティーブン秘書官が述べられました。記者からの質問には、JPHMA由井会長を含め3名で質疑に回答しました。プレス会見の模様はまた別途皆様にもお伝えしたいと思います。