ホメオパシー新聞その7 日本学術会議金澤会長「ホメオパシー談話」について

『日本学術会議』という機関は、政府から独立した特別の機関であるため、本会議自体に行政・立法・司法の三大権限を有していません。つまり、今回の「ホメオパシー」についての会長談話の公表内容は、日本学術会議という一機関の見解であり、政府の見解ではありません。日本学術会議の声明文を見ていきます。

日本学術会議

ホメオパシーはドイツ人医師ハーネマン(1755 – 1843年)が始めたもので、レメディー(治療薬)と呼ばれる「ある種の水」を含ませた砂糖玉があらゆる病気を治療できると称するものです。

日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)

ハーネマンはあらゆる病気を治療できるとは言っておらず、当時の水銀治療や瀉血治療など有害で症状を抑圧する治療や体力を消耗する治療を行うことで治癒不可能になると考えていました。また不自然な環境や不自然な食生活によって生じた病気は、それを変えない限り治癒しないと考えていました。したがってあらゆる病気を治療できるなどと称していません。この文章を読むと、ホメオパシーはどんな病気でも治せるとハーネマンあるいはホメオパス(ホメオパシー療法士)が言っているかのような誤解を与えるもので正しくありません。もちろん現在も日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)、ホメオパスも、あらゆる病気を治療できるとは言っておりません。

日本学術会議

近代的な医薬品や安全な外科手術が開発される以前の、民間医療や伝統医療しかなかった時代に欧米各国において「副作用がない治療法」として広がったのですが、米国では1910年のフレクスナー報告に基づいて黎明期にあった西欧医学を基本に据え、科学的な事実を重視する医療改革を行う中で医学教育からホメオパシーを排除し、現在の質の高い医療が実現しました。

日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)

日本学術会議が「近代的な医薬品」と称するものが、症状を止めたり、不足する物質を補うための化学合成された薬のことを称しているのだとしたら、それは重病人などには有用と考えますが、多くの場合、多くの人には有用ではないと考えます。多くの人は、現代医療の多くが症状の緩和を目的とした対症療法であることを知っており、根本治療とは異なることを知っています。そして臓器や器官の機能障害による症状は別として、基本的に症状とは、体の防衛機能や浄化機能の現れであるという考えは、現代の生理学でも支持されています。したがって症状を安易に薬で止めることは正しいやり方ではないと考えています。多くの「近代的な医薬品」は、症状を止めることはできても、その症状を出している原因を治療することはできません。

もちろん、命にかかわる症状や辛い症状には緩和や手術が必要であり、症状を止める必要がある場合も多々あります。その意味で「近代的な医薬品」は必要なものであり、JPHMAとしても薬は必要なものであるし、医学も薬学も必要な学問であると認識し表明しています。

これらのことをふまえてJPHMAではひとつの提案をしています。体内への異物の侵入を阻止しようとして生じていると思われる症状や体内を浄化しようとして生じていると思われる症状に対しては、「近代的な医薬品」を使用する前に、まずはホメオパシーのレメディーを使ってみてはどうですか、という提案です。
もし「近代的な医薬品」が正しい使われ方をしないとしたら、それは症状の抑圧によって後の慢性疾患を作り出す原因になったり、「近代的な医薬品」のもつ副作用によって健康が損なわれる可能性があると考えています。そのようなことから、第一に求められる療法とは、対症療法ではなく根本から治癒をもたらす療法です。つまり、それは化学物質で生体をコントロールする類の方法ではなく、自分のもつ自己治癒力を触発し、自ら健康になる自然療法が大切だと考えています。日本学術会議は、かつてのアメリカの民間療法をまとめて時代遅れであるのような書き方をしていますが、知恵ある療法は長い歴史の中で伝承されてきた民間療法の中にこそ多くあったと推測します。長い年月使われるということは十分に時間をかけてその療法が実践的に評価されてきていると言えるからです。

個々の「近代的な医薬品」は必要なものですが、50年後も同じような薬品がそのまま使われていることはあまりないと思います。ホメオパス(ホメオパシー療法士)が200年間一貫して変わらずハーネマンが使っていたのと同じレメディーでホメオパシー療法を行っているという事実が、ホメオパシー療法がいかに優れているかの証拠となることはあっても、時代遅れと批判する根拠にはなりません。JPHMAは「近代的な医薬品」には「近代的な医薬品」のよさがあり、レメディーにはレメディーよさがあると考えています。もちろん、手術や検査は現代医学の素晴らしい技術であり、これに勝るものは他にありません。

また日本学術会議は、ホメオパシーが欧米において「副作用のない治療法」として広がったと主張されていますが、ホメオパシーが広がったのは、副作用のない治療法(「近代的な医薬品」にはない優れた特質です)であることはもちろんですが、それ以上に、その目覚ましい治癒効果ゆえに広がったのです。
ホメオパシーの有効性を示す典型的な出来事として、英国で1854年にコレラが大流行したことがあります。記録によるとこの大流行の期間中、ホメオパシーの病院では死亡率がわずか16.4%だったのに対して正統派医学の病院では50%でした。しかしこの記録はロンドン市の衛生局によって故意に隠蔽されました。しかしホメオパシー治療が有効であることは多くの人の知れるところとなり、その後、ハーネマンの著作を読んで欧米の多くの開業医がホメオパシーを取り入れるようになっていきます。また、19世紀のアメリカでホメオパシーが草の根的に広がった背景として、ホメオパシーで家族の体調が劇的に改善した体験をきっかけに多くの母親がホメオパシーを真剣に学ぶようになったということもあります。
ホメオパシーを一度も使ってみたこともない人が、いくら声高に「効くわけがない」と叫んでみても、そのような言葉は、「近代的な医薬品」とホメオパシーのレメディーの両方を十分に使った者がホメオパシーの素晴らしさを語る言葉にはかないません。どちらが優れているかを語ることができるのは、両方の方法を使ってみたことがある者だけです。また実体験には、机上の知識(単なる思考あるいは空想)がとうてい太刀打ちできない力をもっています。もし「それは極めて個人的な体験であり、それこそが妄想である」と反論する者がいるならば、これだけ多くの人が体験していることを妄想或いはプラシーボ効果で片付けようとするその既成理論へのこだわりこそが彼らの妄想の元凶であると言えます。
過去にもホメオパシーに懐疑的な人物はたくさんおり、ホメオパシーのインチキを暴こうとした者も多数います。しかし実際にホメオパシーのインチキを暴こうと真剣に調査した者は、ことごとくその真剣さゆえにホメオパシーの効果を認めざるをえませんでした。結局のところ、ホメオパシーをインチキとして証明できた人は誰一人いないのです。そのことは、裏を返せば、とりもなおさずホメオパシーの有効性を証明すること同じことになります。ただし詐欺的な手法によって、ホメオパシーは有効でないという世論を形成しようと試みた一部の人を除きます。

次ぎに日本学術会議は、米国では1910年のフレクスナー報告に基づいた医療改革によってホメオパシーを排除し、現在の質の高い医療が実現しましたと主張します。
しかしフレクスナー報告に基づく医療改革よって実際に何が起こったかというと、本来、圧倒的大多数の人に提供されるべき、安価で手軽で副作用が少ない有効な民間療法が排除され、重病人に対して提供されるべき、高価で副作用の多い「近代的な医薬品」による治療が一般の治療法として採用されてしまったために、米国国民は手軽に安全に健康を取り戻す療法を奪われ、症状の抑圧と薬の副作用によって体の浄化の機会を奪われ不健康になっていったということです。

アメリカでホメオパシーが衰退した背景には二つの理由があります。一つはアメリカ医師会によるホメオパシーの弾圧です。当時のアメリカ医師会はあからさまにホメオパシーを叩き潰すという目的のために設立された圧力団体であり、競合相手のホメオパシー医師たちを妨害し、廃業に追い込むという目的のために組織されたものです。これは推測ではなく、実際に米国医師会の設立目的として掲げられているものです。米国医師会がどのようにホメオパシー潰しを行っていたかの詳細は以下の文献をお読み下さい。

アメリカでホメオパシーが衰退したもう一つの理由が、日本学術会議が主張するとおり、1910年のカーネギー財団によるフレクスナー報告に基づく医療改革があります。
しかし、カーネギー財団と米国医師会は裏で繋がっていた証拠があります。フレクスナー報告書を「設計」したのは米国医師会であると断言している者さえいます(Roberts, 1986)。そして当然『米国医師会ジャーナル(JAMA)』はフレクスナー報告を褒めちぎりましたが、多くの医学誌には、「拙速である」、「間違いだらけ」、「無礼極まりない」、「存在価値のある小規模校に不公平」などと書かれたしろものです(Hiatt, 1999)。当時、アメリカやヨーロッパで最も尊敬されていた医師の一人で、ジョンズ・ホプキンス大学で教授や同大学病院の診療部長を務めたウィリアム・オスラー卿は、フレクスナーの「医療の理解度ははなはだ貧弱であり」、レポートにはあまりにも誤謬が多くて「『不公平や無知』という言葉が効果的かどうかは何とも言い難いが……、いずれにしても、大変な不正がなされた」と述べています(Chesney, 1963, 177-178)。
すなわち米国医師会がホメオパシーを叩き潰すために設立された協会であり、フレクスナー報告書を設計したものが米国医師会であるとするなら、フレクスナー報告書はホメオパシーを叩き潰すためのシナリオだったということが言えます。

実際のところ、米国医師会はホメオパシーをはじめとする代替療法に強い嫌悪感を抱いていて、それらを衰退させるか一掃することできれば、主流派の医師の需要がぐんと増し、ひいては生活も潤うと考えていたわけです。
フレクスナーは「科学的な医学」が「民主的」なものである必要はなく、代替医療への世間の関心に応える必要もないと言い切っていました。異論があれば、それは無知または「ドグマの妄信」で切り捨てていました(Flexner, 1910, 156, 161)。
こうしてフレクスナー報告書に基づく医療改革によって、一九〇〇年の時点で米国に二二校あったホメオパシーの医学部や医科大学は、一九二三年までにわずか二校に減っています。自然療法、折衷医学、カイロプラクティックなどの各種学校も似たような運命をたどり、ホメオパシーを教えていたすべての医学校は、フレクスナーが奨励したガイドラインに沿うようカリキュラムの変更を迫られましたが、このような変化は生物医学的な視座を求めるものであり、その分ホメオパシー教育の量は激減せざるを得なく、ホメオパシー医学校は二流のホメオパスしか輩出できないような状況になり、一九五〇年までにホメオパシーを教えるすべての学校が閉鎖されたわけです。こうしてアメリカにおいて存在していた22のホメオパシー医科大学、100以上のホメオパシー病院、1000を超すホメオパシー薬局が姿を消すにいたりました。これが米国でホメオパシーが衰退した理由です。
こうして米国医師会の強い影響を受けたフレクスナー報告書に基づく医療改革によって、長年の臨床上有効であり、安く副作用の少ない、そして自己治癒力を触発する療法が廃止され、近代的、科学的という名のもと物質的に外からコントロールする医療、そしてお金がかかる医療へと変貌して行ったのです。

フレクスナー報告書にまつわる全貌は、『世界の有名人、文化人がホメオパシーを選択するわけ』(ホメオパシー出版 2010年9月25,26日JPHMAコングレスで発売予定)のホメオパシーを支持したロックフェラーの項目に大変興味深く詳しく書かれていますので参照してください。一歩間違えば、アメリカにおいてホメオパシー医学が主流となっていた可能性があるのです。

日本学術会議

こうした過去の歴史を知ってか知らずか、最近の日本ではこれまでほとんど表に出ることがなかったホメオパシーが医療関係者の間で急速に広がり、ホメオパシー施療者養成学校までができています。このことに対しては強い戸惑いを感じざるを得ません。
その理由は「科学の無視」です。レメディーとは、植物、動物組織、鉱物などを水で100倍希釈して振盪しんとうする作業を10数回から30回程度繰り返して作った水を、砂糖玉に浸み込ませたものです。希釈操作を30回繰り返した場合、もともと存在した物質の濃度は10の60乗倍希釈されることになります。こんな極端な希釈を行えば、水の中に元の物質が含まれないことは誰もが理解できることです。「ただの水」ですから「副作用がない」ことはもちろんですが、治療効果もあるはずがありません。物質が存在しないのに治療効果があると称することの矛盾に対しては、「水が、かつて物質が存在したという記憶を持っているため」と説明しています。当然ながらこの主張には科学的な根拠がなく、荒唐無稽としか言いようがありません。

日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)

日本学術会議はホメオパシーは「科学の無視」であるから戸惑っていると主張します。何をもって「科学の無視」というのでしょうか? 事実を尊重することが「科学の無視」になるのでしょうか? 事実よりも科学が正しいなどということが一体あるでしょうか? 有り得ないことです。これまでの科学の理論と事実の間で不整合があった場合、それは科学の理論が不完全であることを意味します。ホメオパシーの場合は、理論と事実の不整合というよりも、ホメオパシーが有効である仕組みが科学的に解明されていないという方が正確かもしれません。いずれにせよ、本来科学とは一つでも理論に合わない現象が観察されたならば、それは理論の不完全さを示すものであるにもかかわらず、ホメオパシーの有効性を示すおびただしい客観的事実がある状況において、それらの全てを無視する態度は、極めて非科学的なものであります。
またJPHMAはホメオパシーの有効性を示す資料を随時HPにアップしていきます。
また2010年9月25日、26日に行われる第11回ホメオパシーコングレス(ホメオパシー学術大会)においてホメオパシーの有効性を示す治癒症例を発表しますので、是非コングレスにこられて事実を見ていただきたいと思います。

日本学術会議は、原材料を希釈振盪した水が「ただの水」であると断定していますが、原材料の分子が1分子もないからといって、その水に原材料の情報が何らかの形で保存されていない証拠にはなりません。記録されたDVDと何も記録されていないDVDのどちらも化学的には同じ成分です。しかし記録されたDVDには情報が保存されています。水が情報を保持すると考える根拠の一つしてノーベル物理学賞を受賞しているブライアン・ジョセフソン博士のコメントを紹介します。

「ブライアン・ジョセフソン博士(Brian Josephson)(一九四〇)はイギリスの物理学者で、わずか二二歳のときに完成させた研究によって、一九七三年にノーベル物理学賞を受賞している。現在はケンブリッジ大学で教授をしながら、凝縮系物質理論研究グループの物質・精神統合プロジェクトの主任を務めている。ジョセフソンは、『ニューサイエンティスト』誌(一九九七年一〇月一八日号)の記事への回答として、このように書いている。

『ホメオパシーに関する主張に対してあなたからお寄せいただいたコメントについてです。希釈を繰り返すことで溶液中の溶質分子がほぼゼロに等しいほど微量になっているということが主な批判点でありますが、この指摘は的外れです。なぜなら、ホメオパシーのレメディーを推奨している人々は、ホメオパシーが効くのは水中に存在する分子の作用ではなく、水の構造に変化が生じたためだと考えているからです。
単純に考えると、水は液体であるため、そのような観念に合致するような構造をもたないのではないかと思われるかもしれません。しかし通常の液体のように流れるのに顕微鏡的な距離においては秩序だった構造を維持する液晶の例などを考えれば、そのような考え方には限界があります。まさにこの点を考慮に入れるなら、わたしの知る限り、ホメオパシーに対する反論として有効なものはいまだかつて存在していません。
これに関連するテーマとして「水の記憶」という現象があります。ジャック・ベンベニストとその同僚のヨレーネ・トーマス、さらにその他の研究者も、この現象を経験的に証明したと主張しています。もしそれが確かだとすれば、むしろホメオパシーそのものよりも大きな意味合いをもつでしょうし、また、そうした主張をとりあえず検証してみるどころか、手に余るとただやり過ごしてきた現代の科学界の見識の狭さを証明することにもなるでしょう(Josephson, 1997)。』

水の構造に関するジョセフソンの発言は、より近年の研究によってその正しさが確認されることになった(Roy, et al., 2005)。材料科学の教授らが、博士号を有するホメオパスと共同で、水の構造についての重要かつ技術的なテーマに関する基礎科学研究の報告書を書いている。これらの一流の科学者たちは、ホメオパシー薬の製造過程がどのように水を薬へと変化させるかを説明し、ただの水とは異なることを明らかにした。現在では、ホメオパシー薬を作るのに不可欠な「震盪」の過程で、ナノバブルと呼ばれる超微細な泡を含む大小さまざまな泡が立ち、それによって水の圧力や構造が変化することがわかっている。
ジョセフソンは、『ニューサイエンティスト』誌(二〇〇六年一二月九日号)のインタビューで、型破りと目されているような考え方を擁護するようになった経緯についてコメントを求められ、次のように答えている。

『ある会議に出席したところ、ジャック・ベンベニストという名のフランスの免疫学者が、水にはかつてそのなかに溶けていた化合物の「記憶」が残存している――ホメオパシーが効く理由もここから説明できるかもしれない――と、自分の発見を初めて披露していた。科学者たちはむきになって彼の研究結果に猛反論し、彼があまりにひどい仕打ちを受けていることにわたしはショックを受けた。』

さらにジョセフソンは、現在の科学者には「病的なまでの不信」に陥っている人、すなわち、「事実だとしても信じない」という言葉がぴったり当てはまる非科学的な姿勢の人が多すぎる、とも述べている。
ここまでに紹介した過去二〇〇年の数々の高名な科学者や医師の話は、ホメオパシー薬の効き目を裏付ける強力な証拠を突きつけている。こうした意義深い個人レベルの体験に加え、現在も積み上げられつつある基礎科学や臨床研究における多数の根拠を併せれば、ホメオパシー薬は単なるプラシーボ反応だとか、プラシーボ効果による部分が大であるなどと主張するのは、非科学的で閉鎖的な精神の持ち主だけだと言えるし、またそう考えてしかるべきである。」

ホメオパシーに効果があるというのは疑いようのない事実であり、事実が先にあり、上記はそれを科学的に説明するための一つのモデルであるということです。

日本学術会議は、「水が、かつて物質が存在したという記憶を持っているという説明には、科学的な根拠がなく、荒唐無稽としか言いようがない」と主張します。

しかし、1988年に「ネイチャー」に掲載されたベンベニスト博士の論文『高希釈された抗血清中の抗免疫グロブリンE(抗IgE抗体)によって誘発されるヒト好塩基球の脱顆粒化』ですでに水の記憶(水がかつて存在した物質情報を保持している)に関しては証明されています。ベンベニスト博士は、2度ノーベル賞にもノミネートされたきわめて優秀なフランス人科学者でした。ベンベニスト博士の論文がネイチャーに掲載された数週間後に、再検証の名のもとにホメオパシー懐疑論者の急先鋒であり、手品師でもあるジェイムズ・ランディーを含む特別な「ネイチャー」の調査チームが組織され、翌年、同じくネイチャーにベンベニスト博士の実験は幻だったとする反対論文が掲載されました。この論文が掲載されるに至った経緯、卑怯な手口などについては、ベンベニスト博士の遺稿となった『真実の告白──水の記憶事件のすべて』(ホメオパシー出版刊)に書かれています。こうして2年後には、ベンベニスト博士はフランス科学界から失脚させられ、ベンベニスト博士の名誉が回復されることのないまま、2004年10月3日に不遇な死を遂げたのです。そして、ベンベニスト博士の死後、上述の『真実の告白──水の記憶事件のすべて』が遺族によってフランスで出版され、ベストセラーとなる中でフランス国民は、この事件の真相を知ることになります。ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー(RAH)ではベンベニスト博士を日本に招き、1998年に最新の成果を含め、日本で講義を行いました。

さて1988年にベンベニスト博士の論文がネイチャーに発表される前に、イタリア(ミラノ)とカナダ(トロント)とイスラエル(テルアビブ)にある3つの研究所でベンベニスト博士の実験結果が再現されています。またフランスマルセイユのある研究所のアレルギー学の大家も肯定的な結果をベンベニスト博士に送ってきます。ですからネイチャーも論文掲載に踏み切ったのです。

その後、ベルファースト・クイーンズ大学のエニス(Ennis)教授によるベンベニストと同様の研究、およびフランス、イタリア、ベルギー、オランダの別々の4大学で行われた追実験により(Belon et al1999)、ベンベニストの研究結果の基本的妥当性が確認されています。エニス教授自身も実験を2回行っています(Brown &Ennis 2001)。興味深いことには、4 大学による追実験はベンベニストの研究の欠陥が明らかになることを想定して正確に科学的な評価を行おうと、クイーンズ大学が扇動し、その調整の下に実施されたものです。ベンベニストの研究結果の有効性と第三者による再現可能性が明らかにされたことは、ホメオパシーの基礎研究にとって非常に大きな意味をもちます(Belon2004:Fisher 2004)。
このような水の記憶を証明する実験結果は多数あるにもかかわらず、日本学術会議は水の記憶に関して「荒唐無稽」と断言します。

「治療効果もあるはずない。」とのことですが、ホメオパシーは、ヨーロッパでは200年の歴史がある伝統ある学問(医学)であり、ドイツ、フランス、ベルギー、ギリシャ、イタリア、スイス、イスラエル、インドをはじめ多くの国で正式に医学として認めらており、医科大学のカリキュラムに組み込まれています。当然、ホメオパシーを実践する非常に多くの医師が存在し、フランスの医師の約3割、ドイツの医師の約2割がホメオパシーのレメディーを使用しているという事実があります。またドイツの医師の約半数が、ホメオパシー薬は有効だと考えています(Kleijnen, Knipschild, and Reit, 1991)。
もちろん、数え切れないほどの治癒実績があります。治療効果があるはずないというのはホメオパシー療法に対する根拠のない偏見であり、間違った認識です。

日本学術会議は「物質が存在しないのに治療効果があるという主張には科学的根拠が無く、荒唐無稽としか言いようがない」と主張します。なにをもって科学的根拠と考えているのかわかりませんが、明らかにホメオパシーで治癒した数え切れないほどの事実以上に科学的根拠はないと考えます。しかしもし、日本学術会議がたとえば二重盲検査の結果をもって科学的根拠の一端と考えているとしたら、以下にHPに二重盲検査に基づきホメオパシーの有効性を示す論文がありますので参照してください。

また、ホメオパシーの有効性を示す研究はたくさんあります。また、レメディーをテストした何百件もの臨床研究、生物活性を検証した何百件もの基礎科学研究もあります。また、エビデンスリストとして、たくさんあるなかからほんの一例として、アリゾナ大ベル氏の以下の100以上のエビデンス論文がありますので参照してください。

これだけホメオパシーの有効性が科学的に示されており、科学的にも証明されており、ホメオパシーの治癒効果が世界中で広く認められており、使われており、科学的実証も蓄積されているにもかかわらず、ホメオパシーを真摯に受け止めることもせず、レメディーをテストした何百件もの臨床研究に目を通すこともなく、生物活性を検証した何百件もの基礎科学研究を再検討することもせず、ましてや、おそらく自分自身試してみたこともなく、きちんと調査することなく、「荒唐無稽」と断定するというきわめて非科学的な態度にとても残念に思います。

ホメオパシーの二重盲検査などの科学的根拠については、『世界の有名人、文化人がホメオパシーを選択するわけ』ホメオパシー出版 2010年9月25、26日JPHMAコングレスで発売予定、から引用した以下も参照してください。

イギリスでは、古くから王室御用達の健康法としてホメオパシーが長く親しまれており、エリザベス女王来日時には、滞在時のホメオパシー・ドクターを政府に要請されたことも関係者の間では知られています。チャールズ皇太子もホメオパシーの熱心な推進者として知られており、無料で治療が受けられるよう政府に働きかけを行っています。また国立のホメオパシー病院がイギリス各地に5つあり、現代医学で治らない患者が運ばれています。
インドでは、建国の父、マハトマ・ガンジー首相が、ホメオパシーを国の第一医学として推奨した経緯もあり、今もインドでは、医学といえばホメオパシー医学を示すほど盛んです。実際、2005年時点で、インドには30万人の認定ホメオパス、180のホメオパシー大学、7500の政府ホメオパシークリニック、 307のホメオパシー病院があります。
ベルギーでは、1824年に、ベルギーの王 Leopold Von Sachsen-Coburgは、イギリスにホメオパシーを紹介したHervey Quin(1799-1878)を侍医に任命し、すでにホメオパシーの治療を受けた経緯があります。現在10を超えるホメオパシーの教育団体がベルギーにはあります。
イタリアでは、1820年代にはすでにホメオパシーが広まっており、現在2000人の医師がホメオパシーの教育を受けています。
マレーシアや韓国でもホメオパシーは自然療法の一つとして国に正式に認められています。
このように世界的にも普及しており、多くの人々に親しまれているホメオパシーですが、日本学術会議の見解、認識は世界の情勢と著しく乖離しており、十分に正確に調査し事実確認をしていただき、ホメオパシーに関する正しい認識をもって声明を発表していただきたいと思います。

日本学術会議

過去には「ホメオパシーに治療効果がある」と主張する論文が出されたことがあります。しかし、その後の検証によりこれらの論文は誤りで、その効果はプラセボ(偽薬)と同じ、すなわち心理的な効果であり、治療としての有効性がないことが科学的に証明されています1。
1 Shang A et al. Are the clinical effects of homoeopathy placebo effects? Comparative study of placebo-controlled trials of homoeopathy and allopathy. Lancet 2005; 366: 726 2 Evidence Check

日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)

ここで「有効性がないことが科学的に証明されています。」の根拠とされたLancetの論文については、内容的にも疑義のある論文であることが各方面からも指摘されているものです。

以下当協会のHPから引用します。

「ホメオパシーはプラシーボ以下」と結論づけた2005年ランセット論文は、「不備のある」調査結果を掲載、<ランセット>の学術誌としての価値をおとしめた。

「ホメオパシーはプラシーボ以上のものではない」と結論づけた医学誌<ランセット>2005年8 月27日号論文は、欠陥論文であることを、科学雑誌「ニューサイエンティスト」誌のコンサルタント、マイケル・ブルックス氏が「まだ科学で解けない13の謎」(楡井浩一訳 草思社)で言及している。
「13 THINGS THAT DON’T MAKE SENSE THE MOST INTRIGUING SCIENTIFIC MYSTERIES OF OUR TIME」 (邦訳題 『まだ科学で解けない13の謎』)
この本の中で、ブルックス氏は、ベルン大学のシャン氏とその研究チームが<ランセット>で発表した上記論文については、ホメオパシー共鳴者でないクラウス・リンデとウェイン・ジョナスなど、複数の科学者が欠陥論文であると指摘していることを書いており<ランセット>ともあろうものが、この手の「不備のある」調査結果を掲載したことに愕然としていたことに触れている。
同書の第13章(304ページ)以降もこの件について触れられているので、是非、興味のある方は、読んでみてほしい。
同書では、まだ科学では解明されていない13のテーマを取り上げて論じている。12番目は、プラシーボ効果(ニセ薬でも効くなら、本物の薬はどう評価すべきか?)、13番目に、ホメオパシー・同種療法 (明らかに不合理なのになぜ世界じゅうで普及しているのか?)など興味深いテーマを取り上げ、現代科学では解明できないテーマであることを述べ、ホメオパシーについても、賛否両論の立場から論じている。そして、そこには非常に示唆に富む内容も含まれている。
結局、ホメオパシーに関係しては、医学誌<ランセット>と科学誌<ネイチャー>という英文学術論文誌の双璧が、科学発展の歴史に汚点を残したのである。

また、英女王担当ホメオパス ピーター・フィッシャー氏もランセット論文の信頼性を批判しています。
http://www.jphma.org/fukyu/country_100814.html
英国エリザベス女王担当の医師ホメオパス ピーター・フィッシャー氏が2006年に「エビデンスに基づく代替医療」誌でホメオパシーはプラシーボ効果以下と結論づけた 2005年ランセット誌の信頼性について批判しています。
タイトル:Homeopathy and The Lancet 著者:Peter Fisher (Director of Research, Royal London Homoeopathic Hospital)
英語でのレポート原文はこちらのサイトからもご覧いただけます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1375230/
ピーター・フィッシャー氏
http://commentisfree.guardian.co.uk/peter_fisher/profile.html
なお、ピーター・フィッシャー氏は、英国下院科学技術委員会が出したホメオパシーの有効性を否定し英国健康保険サービスからホメオパシーをはずすべきだとする調査レポートと勧告に反対するために英国会内で開かれたレセプションにもゲストとして参加しスピーチを行っています。

日本学術会議は、これだけホメオパシーの治癒効果が世界中で広く認められており、使われており、科学的実証も蓄積されているにもかかわらず、欠陥論文と言われているランセットの論文をたてにホメオパシーの有効性は科学的に否定されていると断言するわけです。このような事実と異なる声明が日本の学術界の最高峰と言われている日本学術会議から発表されることは誠に遺憾であります。

日本学術会議

英国下院科学技術委員会も同様に徹底した検証の結果ホメオパシーの治療効果を否定しています2。
2: Homeopathy 2010. 2.8

日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)

この下院科学技術委員会の英国健康保険システム(NHS)から、ホメオパシーを外すように求めた勧告を7月下旬英国政府は斥け、ホメオパシーのNHS適用継続を決めています。また、この委員会の検証自体も、いかがわしい内容のものであったことが、ホメオパシー国際評議会(ICH)のスティーブン・ゴードン秘書官(英国)からの報告でも明らかになっています。
以下当協会HPから引用します。

英国政府、ホメオパシーに対するNHS(国民健康保険)適用続行を決定

一部の日本に新聞報道等では、「英国国会の一委員会」で、ホメオパシー懐疑派の議員が中心となって提出した報告を取り上げ、英国国会全体がホメオパシーを否定し、NHS(英国国民健康保険サービス)がホメオパシーへの助成を中止したかのような報道がなされましたが、7月27日に英国政府は、英国下院の科学技術委員会の勧告には非常に欠陥があったとし、ホメオパシーの国民健康保険サービス(NHS)適用を維持する事に決定しました。本件、ホメオパシー国際評議会(ICH)のトップページに以下の文章が掲載されております。

以下がその和訳となります
(訳:The Japan Royal Academy of Homoeopathy英国本校スタッフ、CHhom監修)

英国政府は、ホメオパシーのNHS(国民健康保険)適用続行を決定英国議会下院に提出された、科学技術委員会のホメオパシーに関する報告書に対して、英国政府の正式な対応が発表されました。英国政府は、患者が、十分な説明を受けた上で自分の治療法について選択することができ、家庭医が患者に代わって、複数の療法を選択する権利を持つべきであるという姿勢で回答しています。
英国議会下院科学技術委員会は、3月、ひどく落ち度のある取調べの末、例えば、ロイヤル・ロンドン・ホメオパシック・ホスピタル(王立ロンドンホメオパシー病院)などの外来クリニックで適用されている国民健康保険(NHS)は、今後はホメオパシーには適用すべきではないと推奨しました。

科学技術委員会の報告書では、ホメオパシーの有効性に関して証拠がないため、国民健康保険の適用をすべきでないというものでした。「国会議員によるホメオパシーの適用停止推奨」というような大見出しの下でPRされたその報告は、実は、これがたった一人のホメオパシーに懐疑的な国会議員に煽られて始められ、10名以下の国会議員によって実行に移され、最終的にはたったの3名(そのうちの2人は調査に参加したかどうかさえ分からない)の議員によって承認される、といった慌ただしい調査の結果でした。その懐疑的な国会議員は、5月の英国国会選挙で既に議席を失っています。

この報告書に対して、政府の回答は、以下のようなものでした。「患者は、十分な説明を受けた上で自分の治療法を選択することができ、医師は、法律によって定められている規制と方針の枠組みの中で、特定の状況において、その患者に最も適切と思われる治療法を施す事ができるべきである。」

さらに次のように述べています。「ホメオパシーに対する国民健康保険(NHS)適用を引き続き支持する私たちの立場として、ホメオパシーのような補完治療、代替療法を含む、どのような治療法が、患者にとって適切なのかを判断し、その上で提供するのに、最も相応しい立場にいるのは、ホワイトホール(英国政府)よりも、むしろ、各地のNHSと医師たちである、というものである。」

政府の回答文書は、以下のウェブサイトに掲載されています。

日本学術会議

「幼児や動物にも効くのだからプラセボではない」という主張もありますが、効果を判定するのは人間であり、「効くはずだ」という先入観が判断を誤らせてプラセボ効果を生み出します。

日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)

今までホメオパシーを大変有効であるとしたたくさんの獣医師の臨床経験はすべて効くはずだという先入観による判断の誤りだったというのでしょうか? どうしてそのようなことを断言できるのでしょうか? そこまで世界中のホメオパシーを実践する獣医師が事実が見えないのでしょうか? 明らかにレメディーで治癒に向かうという現実を見たとき、それは先入観によって治ったかのように見えるだけで本当は治っていないとでもいうのでしょうか? 効くはずだという先入観が、治っていない動物を治ったかのように判断を誤るほど獣医師というものは、客観性がなく、誤診し続けているということでしょうか? 事実を無視し、既成の論理から無理矢理こじつけようとした結果、日本学術会議の声明には、もはや科学的であると言うレベルにはありません。もしホメオパシーを実践している獣医師やアニマルホメオパスに「効くはずだという先入観が判断を誤らせてプラセボ効果を生み出しているのです」と言ったならば、それがもし冗談でないとしたら、これほど失礼な言葉は他にないでしょう。もちろん、乳児、幼児においても同様であり、多くの治癒経験をもつ日本を含め世界のホメオパスに対しても失礼な言葉です。

日本学術会議

「プラセボであっても効くのだから治療になる」とも主張されていますが、ホメオパシーに頼ることによって、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性があることが大きな問題であり、時には命にかかわる事態も起こりかねません3。
3 ビタミンKの代わりにレメディーを与えられた生後2ヶ月の女児が昨年10月に死亡し、これを投与した助産婦を母親が提訴したことが本年7月に報道されました。

日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)

今事実の相違から裁判で争っている事例を、あたかも、一方の言い分を事実であるかのような前提で話をするのは、いかがなものかと思います。現に、助産師は第1回口頭弁論にて、訴えを棄却し法廷にて争う立場であることを表明しています。まず、日本学術会議は「ビタミンKの代わりにレメディーを与えられた」と主張していますが、それは本当に事実でしょうか? またマスコミはK2シロップを与えないことで死亡したと断定していますが、それは本当に事実でしょうか? 事実が明確になっていない段階でこのような形でマスコミが報道したり日本学術会議が声名を出すことに問題はないのだろうかと思います。
K2シロップを投与していても出血を起こす事例も報告されており、(第3回乳児ビタミンK欠乏性出血症全国調査成績 S63度 厚生省心身障害研究。
S60年7月~63年6月まで3年間に、突発性ビタミンK欠乏出血症が126例、そのうち、K2シロップ投与していたのは16例。12.6%)、確かにリスクは減るものの、100%確実とは言い切れない予防法です。今回の件で、K2シロップは確実に出血を防止するもの、と認識する人が増えているように思われますが、そのような慢心により、実際に出血が起きたときの対処が遅れることを懸念しています。
もし、このK2シロップにそこまでの必要性があるのならば、国は投与を義務化すべきと考えますが、生後わずかな赤ちゃんに、出血を防止するために人工物を投与することが、本当に何も影響がないのか、K2シロップは副作用がないと言われていますが、長期的に見ても本当に何も影響がないのか、誰も追跡のしようがない状況で、義務でない人工物を摂取しない、という自由は、もちろん自己責任においてですが、認められるものと考えています。この件はいずれ法廷で事実関係が明かされるものと考えています。

ホメオパシーに頼ることによって、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性があることが大きな問題であるとしたなら、ホメオパシー療法は有効でないという嘘の情報を発信しそれを多くの人が信じることによって、多くの人々がホメオパシーを利用しないとしたら、その責任たるや想像を絶するものであると考えます。その責任を一体どのようにとるおつもりなのでしょうか。
もちろん、最初に述べたとおり、重病人などに対して「近代的な医薬」や手術は大変有用なものであり、ホメオパシーを信頼するあまり、それらを否定することは正しくないことであると認識しています。ですから、JPHMAとしても折りにつけ会員にお知らせしています。また、JPHMAとしてもその重要性を認識し、ホメオパス倫理規定においても検査に行くことを推奨しています。しかしながら、仮に会員の中にその点において認識が甘い者がいたり、ホメオパシーを信頼するあまり現代医療を否定的に考える会員がいるとしたら、今一度、認識を深めてもらうために、周知徹底を図っていく所存です。
また、ホメオパシーを推進している団体として、当協会としても、ホメオパシー利用者が、ホメオパシーを愛好するあまり、現代医療を頑なに拒否するということがないよう、当協会や普及団体を通して発信していくと同時に、協会会員に今一度指導の徹底を図っていきたいと考えます。
しかしながら、ホメオパシー利用者であるなしにかかわらず、頑なに現代医療を拒否する人はいます。特に、過去に現代医療を受けてとても辛い経験をしたことがある人は、その傾向が強いようです。 本来、どのような医療を選択するかは、個人の尊厳(憲法13条)で保障されている自己決定権として、個人の自由意志に基づいて行われるべきものであり、個人の信条に立ち入ることができない部分があるということは、理解されなければならない点であると考えます。もし、それを超えて、立ち入ることが許される人がいるとしたら、それは唯一、親ではないかと思います。
長妻厚生労働相も8月25日、「仮に、本人の意思に反して病院に行かないようなことがあるとすれば問題。省内でよく議論し、実態把握の必要があれば努めていきたい」と述べていますが、これは裏を返すと、個人の尊厳がありますから、首に縄を付けて病院に連れて行くことはできないということでもあります。当然JPHMAとしも、本人の意思に反して病院に行かせないようなことがあれば問題であると考えます。

日本学術会議

こうした理由で、例えプラセボとしても、医療関係者がホメオパシーを治療に使用することは認められません。 ホメオパシーは現在もヨーロッパを始め多くの国に広がっています。これらの国ではホメオパシーが非科学的であることを知りつつ、多くの人が信じているために、直ちにこれを医療現場から排除し、あるいは医療保険の適用を解除することが困難な状況にあります4。またホメオパシーを一旦排除した米国でも、自然回帰志向の中で再びこれを信じる人が増えているようです。
日本ではホメオパシーを信じる人はそれほど多くないのですが、今のうちに医療・歯科医療・獣医療現場からこれを排除する努力が行われなければ「自然に近い安全で有効な治療」という誤解が広がり、欧米と同様の深刻な事態に陥ることが懸念されます。そしてすべての関係者はホメオパシーのような非科学を排除して正しい科学を広める役割を果たさなくてはなりません。

日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)

一体何の根拠があってこのようなことを言われるのかわかりません。1分子もないとわかっていてなぜは世界中の医師やホメオパス、そして世界中の多くの人々があえてホメオパシーを利用しているのでしょうか? 通常の理性と知性があるなら、科学的には説明できないが、ホメオパシーは有効であるからと考えるでしょう。

日本学術会議

最後にもう一度申しますが、ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されています。それを「効果がある」と称して治療に使用することは厳に慎むべき行為です。このことを多くの方にぜひご理解いただきたいと思います。5
5ホメオパシーについて十分理解したうえで、自身の為に使用するのは個人の自由です。
平成22年8月24日 日本学術会議会長 金 澤 一 郎

日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)

すでに説明していますので、重複を避けます。上記をお読み下さい。日本学術会議の声明文に付録していたパワーポイント部分に関するJPHMAの見解は今後出していきます。

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