ホメオパシー治療の費用効率の高さがスイス政府によって立証される。

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『世界の一流有名人がホメオパシーを選ぶ理由』の著者であるデイナ・アルマン氏の最新の投稿記事をご紹介します。

ホメオパシー治療の費用効率の高さがスイス政府によって立証される。
デイナ・アルマン 実践ホメオパス
投稿日:2012年3月23日 8時41分

“唸り声を上げたネズミ”に似た話であるが、スイス政府は、ホメオパシー治療で通常用いられる微量投与は効果的であるばかりか、費用効率が高いとの判断を下した。今日出回っている従来型医療の優れた技術的効能にも拘わらず、スイス政府は、費用効率に於いては、ホメオパシーの方がはるかにそれを上回ると結論づけたのである。

前回の論説で、私はスイス政府が自主的に実施したホメオパシー医療に関する優れたレポートに焦点をあてた。この時の論説では、ホメオパシー医学の効果を立証する複数の情報源からの有力な証拠について述べたが、今回のこの論説では、ホメオパシー治療の費用効率についてスイス政府が独自に実施した調査によって明らかにされた、新たな事実に焦点を当てたいと思う。

個人的にも又政府的立場からも、経済的に厳しい対応を求められる、今日の時代にあって、スイス政府によるこの報告書はホメオパシー治療の効能と費用効率の高さを立証するものである。医学の中でも、ホメオパシーはもっとも安全な医療の一つであるという事実は、この自然療法の優れた性質を彩るほんの一つの利点に過ぎない。

結論から言うと、スイス政府による報告書は、今日までホメオパシー医療の科学的根拠について実施されて来た他の行政体による調査報告との比較に於いて、最も包括的なものとなっている。スイスの“医療技術評価”は幅広い臨床研究と研究実験による徹底的分析である。(1) 報告書には、ホメオパシー治療の費用効率の高さを示す証拠資料についての再検討も含まれ、スイス人の医師と患者を対象とした費用効果の独自調査さえ実施している。

スイスの健康保険組合から入手した加入医師の費用資料を元に、今回の再調査には、診療費 (診断と治療)、薬剤費(医師による直接投与ないし処方薬)、外部実験室分析費、そして理学療法費用のすべてが含まれている。

今回のスイス政府の報告書によると、ホメオパシー医療を専門とする医師の診療費は、従来型医療を実践する医師、そして他の補完代替医療(ホメオパシーでない)を実践する医師/治療家のそれとの比較において、全体での医療費が15.5%も低い事が明らかにされている。(2) ホメオパシー治療によるこうした大幅な医療費の削減は、多くの国において何百万ドルまたはそれ以上の医療費節減の可能性を示唆するものである。

このスイス報告書の作成に携わった関係者たちによると、ホメオパシーや代替医療での治療を希望する患者は、慢性病(三か月以上)、また重病を患う傾向が見られ、これは通常、更に高額な医療費の発生をもたらす要素となるが、その一方で、ホメオパシーの患者は比較的若い傾向にあり、これは通常、医療費の低下につながることを指摘している。

ホメオパシー治療によってもたらされる、この15%の大幅な節減は、大手の医療保険会社からのクレームを分析したオランダの某機関の独自調査によって確認されているが、この調査によって、ホメオパシー医学、鍼灸、人智学医学の訓練をうけた治療家による代替療法に関わる費用においても15%の節減があったことを確認している(Kooreman, Baars, 2011)。この調査を担当した健康エコノミストは、この大幅な低減は、入院日数が少ない事そして高価な薬剤の処方が少ない事が理由であると結論付けている。報告書の作成担当者たちはまた、補完代替医療を実践している医師に通う患者はより長生きであると付記しているが、これも又見逃せない大事な点であろう。

ホメオパシーについてのスイス政府の報告書はまた、女性の不妊、リウマチ性関節炎、中耳炎、呼吸器系アレルギー、消化不良等の特定の健康問題で悩む人々を対象として、ホメオパシーVS従来型医療の費用効果の評価を行った他の数多くの調査についても言及している。この中でも特に注目に値するのは、不妊の問題を抱える女性がホメオパシー治療を受けた場合と、従来型医療の治療を受けた場合とでは、その医療費に著しい違いが見られた事である。上部呼吸道感染症を持つ子供達への調査では、ホメオパシー治療を受けた子供達は、従来型医療を受けた子供達との比較において、再発も少なく、抗生物質の消費量も低いことを示している。更に、リウマチ性疾患を持つ569名の患者への経済評価に於いては、29%が従来型の医療による治療を必要としなくなり、33%が薬剤への依存の軽減に成功し、ホメオパシー治療を始めてから薬剤の使用が増えた人は、ほんの6%に留まった。

この報告書にはまたドイツ政府からの報告も引用されているが、それは、従来型医療による治療を受けている女性患者の入院率をホメオパシー治療を受けている女性患者のそれと比較調査したものだったからである。この調査によると、従来型の治療を受けている女性患者の入院率はホメオパシー治療を受けている女性患者の実に6倍に上る事が示されている。

ホメオパシー治療による医療費の削減に加えて、報告書では他の様々な間接的な費用の節減がもたらされた事にも言及している;例えば、ホメオパシー治療を受けている患者の病欠の日数が減った事等。

スイスの報告書では、患者とCAMを実践している医師/治療家との間では、より良好な“患者と医師の関係”が存在し、不快な要素が少ないことが患者から報告されている事実を踏まえて、こうしたタイプの医療からは更に高い費用効率が期待できると結論づけている。
医療の選択肢としてのホメオパシーの“適切性”もまた、このスイス報告で評価されており、報告書の作成者たちはこれを二つの区分:需要/使用そして安全性に分けている。

スイス人のホメオパシーへの高い需要、そしてホメオパシーについて広く知られているところの安全性の高さに基づいて、スイス報告書は、スイス国民へのホメオパシーの適切性は十分なものであると言い切っている。調査によると、補完代替医療を受けているスイス人の数は人口の57%に上り、スイスの医師/治療家全体の約40%が補完代替療法を実践し、又62.5%が “CAM” を支持していると推定される(Rist and Schwabl, 2009)。

スイス政府はまた、ホメオパシー治療を受けている患者VS従来型医療の医師から治療を受けている患者の“患者としての満足度”を比較する為に、3,000名以上の人々を対象とした調査を行う為の資金を提供している(Marian, Joost, Saini, et al, 2008)。

ホメオパシー治療を受けている患者と従来型の治療を受けている患者の間には、患者の期待に沿った治療効果には大した違いはないものの、“すっかり満足している”という満足度に於いて、ホメオパシー治療の患者の方が後者のそれよりも高かった(553%対43%)。調査は又、従来型治療を受けた患者の深刻な副作用は、ホメオパシー治療患者のそれの4倍に上ることを指摘している。

ホメオパシー治療による費用の節減という検証に加えて、このスイス報告書では、ホメオパシー療法の治療効果を示す無作為化二重盲検臨床試験の例も数多く取り上げている。中でもとりわけ重要と思われるのは、系統的レビュー(メタ分析)に於いて22の内20までが、少なくともホメオパシーを選ぶ傾向にあり、その内の少なくとも5つのレビューが、ホメオパシー療法の効能についての明らかな証左となる結果を生み出している。

このスイス報告書をオンラインで閲覧する事はできないが、論文審査のある医学専門誌に発表された調査に興味のある読者の方は、 the numerous articles that I have published at this website in the pastを読まれる事で、多くの学びが得られるだろう。

スイス報告書では、一部の臨床試験はホメオパシーに対して必ずしも肯定的な結果を示していない事をも認識しているが、この政府の報告書の作成者達は、こうした調査の殆どが、最初から否定的な結果が出るように設定され、その為虚為の否定的結果が生じるといった、ホメオパシーの幾つかの重要な理念を無視するようなやり方で行われた事を指摘している。ホメオパシーに懐疑的な人たちは、見た所高度な研究をしている選り抜きの研究者達を引き合いに出し、ホメオパシーが効果を示さなかったことをやり玉に挙げるのが常であるが、こうした懐疑的な人たちは、これらの試験の殆どにおいて、状態に適した正しいレメディーが使用されていない事実を見過ごしている。例えば、減量を望む全ての人々に効く単独のレメディーというものは存在しないことはよく知られているにも拘わらず、ある調査では、減量の為にある単独のホメオパシーレメディーのみを投与している。

要するに、多くのスイス人がホメオパシーレメディーを使用し、また他の自然療法を選択していると言う事である。2009年5月に実施された国民投票では国民の実に3分の2(!)がスイスの医療制度にCAMを統合する案に賛同を示した為、これを受けてスイスの厚生大臣は2018年までをテスト期間として、主要な自然療法五種-人智学医療、ホメオパシー医療、自然療法、植物療法/薬草学、そして伝統的漢方医学-を国の医療保険制度に組み入れ、治療費還付の対象とする事を承認した。

このスイス報告書には、ホメオパシーと従来型医療を比較した初期の医療経済研究の一つが1900年に行われた事が記されている (Bradford, 1900)。“The Logic of Figures (数字の論理’)”という簡潔な標題を持つこの本は、ホメオパシーと従来型医療における罹患率(疾患)と死亡率(死)の比率を比較し、ホメオパシーまたは従来型医療のいずれかが実施されている精神病院や刑務所に於いても、両者の比較検討が行われた。従来型医療関係者にとって脅威的だったのは、従来型治療を受けている患者の死亡率が、ホメオパシー治療を受けている人々との比較に於いて、2~8倍高い数値を示した事だ(事実上、何百もの病院の記録が比較されている)。中でも、とりわけ興味を引いたのは、コレラ、チフス、黄熱、猩紅熱、肺炎、インフルエンザを含む数多くの恐れられている感染病の治療において、ホメオパシー治療を受けていた患者に優れた効果が現れていた事である。

スイス政府が自主的に行った上記の調査に加えて、北アメリカの他の研究者達も、“様々な総合治療”の効能と費用効率の高さに着目している (Guarneri, Horrigan, Pechura 2010)。 総合的アプローチによる健康管理の有効性と費用効果を裏付ける資料源は次の三つである:複数の大学で行われた医療研究、従業員の健康管理の為に開発された民間企業による研究、そして保険会社による試験プロジェクト。

医学の父と仰がれるヒポクラテスが残した、最も有名な言葉は“まず第一に、患者を害してはいけない”-である。ホメオパシーや他の様々な総合治療は従来型の医療戦略より遥かに安全であるという事実を鑑みるならば、世界の政府や保険会社は、スイス政府やスイスの国民を手本として、その後に続く時期ではないかと思われる。

FOOTNOTES:

(1) Although this Swiss government report was just published in book form in 2011, the report was finalized in 2006. In light of this date, the authors evaluated systematic reviews and meta-analyses on homeopathic research up until June 2003.

(2) The researchers of this cost-effectiveness study provided statistical adjustment for seven cofactors that would lead one treatment to have an economic advantage over the others, such as when a population of patients is younger or older than another groups.

REFERENCES:

  • Bornhoft, Gudrun, and Matthiessen, Peter F. Homeopathy in Healthcare: Effectiveness, Appropriateness, Safety, Costs. Goslar, Germany: Springer, 2011.

    http://rd.springer.com/book/10.1007/978-3-642-20638-2/page/1
  • Bornhöft G, Wolf U, von Ammon K, Righetti M, Maxion-Bergemann S, Baumgartner S, Thurneysen AE, Matthiessen PF. Effectiveness, safety and cost-effectiveness of homeopathy in general practice – summarized health technology assessment. Forschende Komplementärmedizin (2006);13 Suppl 2:19-29.

    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16883077
  • Bradford T. The Logic of Figures or comparative results of homoeopathic and other treatments. Philadelphia: Boericke and Tafel, 1900.

    http://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=mdp.39015020118058
  • Guarneri, Erminia (Mimi); Horrigan Bonnie J; Pechura Constance M. The Efficacy and Cost Effectiveness of Integrative Medicine: A Review of the Medical and Corporate Literature. Explore: The Journal of Science and Healing – September 2010 (Vol. 6, Issue 5, Pages 308-312, DOI: 10.1016/j

    http://www.explorejournal.com/article/S1550-8307(10)00144-8/abstract;

    full article:http://www.bravewell.org/content/IM_E_CE_Final.pdf
  • Kooreman P, Baars E: Patients whose GP knows complementary medicine have lower costs and live longer. Eur J Health Econ 2011; DOI: 10.1007/s10198-011-0330-2. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0415641211002062
  • Marian F, Joost K, Saini KD, von Ammon K, Thurneysen A, Busato A. Patient satisfaction and side effects in primary care: an observational study comparing homeopathy and conventional medicine. BMC Complement Altern Med. 2008 Sep 18;8:52. http://www.biomedcentral.com/1472-6882/8/52
  • Rist L, Schwabl H: Komplementärmedizin im politischen Prozess. Schweizer Bevölkerungstimmt über Verfassungsartikel «Zukunft mit Komplementärmedizin» ab. Forsch Komplementmed 2009, doi 10.1159/000203073. (Translation: Complementary medicine in the political process: The Swiss population votes on the Constitutional Article

    http://www.ayurveda-association.eu/files/swiss_referendum_on_cam_-_forschkomplementmed_2009.pdf

著者紹介(Dana Ullman / デイナ・アルマン)

デイナ・アルマン MPHは、アメリカの主要ホメオパシー提唱者の一人。
「世界の一流有名人がホメオパシーを選ぶ理由」「ホメオパシーA-Z」「子供と乳児へのホメオパシー医学」「ホメオパシー発見」そして(ベストセラーの)「皆のホメオパシー医学ガイド(Stephen Cummings MD共著)」を含み10冊の書籍著者。
ディナはまた、ホメオパシー医学をテストする専門家の医学ジャーナルで200以上の臨床経験が継続的に発表され続けているEブックもにも執筆している。
このEブックは、「Homeopathic Family Medicine: Evidence Based Nano-pharmacology (ホメオパシー版家庭の医学:ナノ薬理学、そして、その計り知れない極めて有益な資源)」と題されている。
彼は、ホメオパシー書籍、テープ、レメディー、ソフトウェア、通信コースのアメリカの主要情報提供減であるHomeopathic Educational Servicesの創立者。
Homeopathic Educational Servicesは、North Atlantic Booksと共に35冊以上のホメオパシーにおける書籍を出版している。
ディナは、広く人気のあるwww.huffingtonpost.comに定期的にコラムを書いている

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