1. 松尾 敬子

  2. 由井 寅子

  3. トレバー・ガン

  4. ロジーナ・ゾンネンシュミット

  5. 小谷 宗司

  6. 髙野 弘之

  7. 東 昭史

プロフィール

信州大学農学部特任教授

昭和52年 東京薬科大学卒業。同年長野県製薬㈱入社し品質管理・製造管理部門などを担当してきた。取締役製造部長などを経て平成15年退職した。その後、(一社)長野県薬剤師会専務理事、(公社)東京生薬協会理事、(公財) 名古屋市民休暇村管理公社理事などを歴任し、平成27年に国立大学法人信州大学の特任教授に就任。

長野県薬草指導員、長野県薬草生産振興副組合長、信濃生薬研究会員、日本生薬学会員、日本薬史学会員、東京生薬協会薬用植物国内栽培事業委員会委員長。

著書に、花かおる御嶽山(ほおずき書籍)、木曽の昭和史(郷土出版社 共著)、日本薬史学辞典(薬事日報社 共著)などがある。

NPO法人 自然科学研究所

発表内容

日本の伝承医療の魅力と今後の可能性について

近代医学が発達し、社会保障制度が充実した今日、自然界から植物を採取してそれを利用する人はほとんどいなくなってしまった。現在でも植物を修治(加工)した生薬は、漢方薬や一般用医薬品でも盛んに用いられている。その生薬は、法制度のもと規定された技術により製造され、専門的な知識を持った人たちにより処方される。いま、民間において薬草を採取してそれを使うことが困難な状況下では、昔の人たちが薬草を利用してきた知恵を受け継ぐことが必要である。

薬草を病気の治療に用いるといった消極的な使い方ではなく、「健康増進のために用いること、野菜として食べること」がこれからの代替医療の大きな位置付けになっていくのではないだろうか。古人は夏の野菜は体を冷やし、冬の野菜は体を温めるということを知っていた。これは医学的知識の周知ともいえるのではないだろうか。野菜にも薬効があるのだから、薬草とされる植物には未知の効果があるだろう。