一部の日本に新聞報道等では、「英国国会の1委員会」で、ホメオパシー懐疑派 の議員が中心となって提出した報告を取り上げ、英国国会全体がホメオパシーを 否定し、NHS(英国国民健康保険サービス)がホメオパシーへの助成を中止したかのような報道がなされましたが、7月27日に英国政府は、英国下院の科学技 術委員会の勧告には非常に欠陥があったとし、ホメオパシーの国民健康保険サー ビス(NHS)適用を維持する事に決定しました。本件、ホメオパシー国際評議 会(ICH)のトップページに以下の文章が掲載されております。
以下がその和訳となります
(訳:The Japan Royal Academy of Homoeopathy英国本校スタッフ、CHhom監修)
英国政府は、ホメオパシーのNHS(国民健康保険)適用続行を決定
英国議会下院に提出された、科学技術委員会のホメオパシーに関する報告書に対して、英国政府の正式な対応が発表されました。英国政府は、患者が、十分な説明を受けた上で自分の治療法について選択することができ、家庭医が患者に代わって、複数の療法を選択する権利を持つべきであるという姿勢で回答しています。
英国議会下院科学技術委員会は、3月、ひどく落ち度のある取調べの末、例えば、ロイヤル・ロンドン・ホメオパシック・ホスピタル(王立ロンドンホメオパシー病院)などの外来クリニックで適用されている国民健康保険(NHS)は、今後はホメオパシーには適用すべきではないと推奨しました。
科学技術委員会の報告書では、ホメオパシーの有効性に関して証拠がないため、国民健康保険の適用をすべきでないというものでした。「国会議員によるホメオパシーの適用停止推奨」というような大見出しの下でPRされたその報告は、実は、これがたった一人のホメオパシーに懐疑的な国会議員に煽られて始められ、10名以下の国会議員によって実行に移され、最終的にはたったの3名(そのうちの2人は調査に参加したかどうかさえ分からない)の議員によって承認される、といった慌ただしい調査の結果でした。その懐疑的な国会議員は、5月の英国国会選挙で既に議席を失っています。
この報告書に対して、政府の回答は、以下のようなものでした。「患者は、十分な説明を受けた上で自分の治療法を選択することができ、医師は、法律によって定められている規制と方針の枠組みの中で、特定の状況において、その患者に最も適切と思われる治療法を施す事ができるべきである。」
さらに次のように述べています。「ホメオパシーに対する国民健康保険(NHS)適用を引き続き支持する私たちの立場として、ホメオパシーのような補完治療、代替療法を含む、どのような治療法が、患者にとって適切なのかを判断し、その上で提供するのに、最も相応しい立場にいるのは、ホワイトホール(英国政府)よりも、むしろ、各地のNHSと医師たちである、というものである。」
政府の回答文書は、以下に掲載されています。(https://jphma.org/img/dh_117811-1.pdf)