日本でのホメオパシーの歴史

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日本におけるホメオパシーの歴史~良薬に国境なし~

日本ホメオパシー医学協会
(50 万人以上が利用している世界最大のホメオパシーポータルサイトの発行する
月刊Web マガ ジン「Homeopathy 4 Everyone」(読者数:2 万5000 人、URL:www.hpathy.com)に、
日本におけるホメオパシーの歴史が紹介されました。以下抜粋 和訳)

もともと、自然治癒力を触発するホメオパシー(同種療法)の発想は、日本の伝統的民間医療の中で受けつがれてきたことが最近の研究で明らかになってきている。日本最古の書物古事記の中でも、ホメオパー的な考え方が紹介され、同種療法の思想は実は日本にも古来から息づいてきたことが最近の文献などの研究からわかってきている。

江戸時代~戦前

西洋における二つの医学(機械論と生気論)は、日本に書物を通じてもたらされた。その中でホメオパシーは江戸期に、「忽没越阿巴智」(Homoeopathy)として日本に名前だけ紹介されている。

機械論的医学は、ブールハーヴェによる“Institutiones medicae in usus annuae exercitaliones domesticos“(1708)は、その蘭訳(1778)が、『万病治準』として訳され紹介された。一方、生気論的医学に関して、とくにフーフェランド(1762~1836)を中心とする医学は、長い伝統に培われた流体病理学説をとる日本人医師にとって、文化的に受容しやすいものであった。フーフェランドの初期の代表作、“Pathologue“(1796)は、蘭訳から重訳され『原病論』(1850年代)として刊行された。フーフェランドの医学は日本で広く用いられたようである。日本の文豪で、ドイツで医学を勉強した森鴎外の『カズイスチカ』(1911、明治44)に、鴎外の父をモデルとしたと言われている、主人公の父が行なっている医学を、「翁の医学は、Hufelandの思想を主としてもので、・・・」とある。

しかし、ホメオパシーは、江戸期に、ハーネマンやホメオパシーの名称に漢語があてられる程度には一部紹介されたようだが、訳本が出版されるまでにはいたらず、定着したとはいえない。その理由として二つ考えられる。第一に、ホメオパシーは生気論の流れに立つものの、その理論があまりにも教義的な性格をもつことである。理論よりも実践と尊ぶ、実用主義の日本人の感性には、ホメオパシーの理論は合致しなかったと思われる。第二に、当時の日本の医学は、植物性の薬物の内服を中心とした基本的には緩和なもので、鍼灸医学も日本的に繊細なものへと発展していたのである。

また明治期以後、ヨーロッパからの医学に関する情報は増大した。

第二次世界大戦前のアメリカでホメオパシー隆盛の頃、日本にも昭和8年アメリカのボエリック・タフエル社製のホメオパシー薬剤を輸入販売する会社「福音公司」があり、その東京支店が目黒区にあった。その会社からホメオパシー薬剤と称する同種療法の本が出版されている。また、昭和初期には香川県の丸亀にホメオパシーを作る工場がつくられ、当時の首相「鈴木實(すずきまこと)」は、ホメオパシーを「良薬に国境なし(良薬無国境)」と記している。
なお、日本の医学は、第二次世界大戦後、米国に占領される前の日本は自然治癒力をベースにしたドイツ医学の影響を大きく受けていたが、戦後はアメリカの現代医学・薬学の影響を大きく受ける形へと変わっていく。

第二次世界大戦後

戦後間もない頃、坂口弘(京都大学医学部出身)は東洋医学に強い関心を持っており、日本に留学していたシュミット博士の招きで鍼灸を教えにドイツに赴いた。坂口は鍼灸を教えながら西洋医学とも東洋医学とも異なる独自の治療体系を持つホメオパシーを知った。当時はちょうどハーネマン生誕二百年祭の頃でした。ホメオパシーは大学での研究対象にはなり得ないが、代替医療としてしっかりと根を下ろしていたのである。坂口は鍼灸を教えるかたわら、シュトゥットガルト病院でホメオパシーを学びこの経験をもとに帰国後「ホメオパシー治療」を著した。しかし帰国後、坂口はほとんどホメオパシーで人を治療することはなかった。坂口が次のように言っている。「ホメオパシーを使わなかったのは、要するに必要がなかったということです」鍼灸、漢方などの東洋医学への誇りを感じさせる言葉である。しかし、一方で、ホメオパシーの真髄に触れていたかどうかの疑問が残る。また、「ホメオパシー治療」という本も日本の医学に大きな影

を与えることはなかった。
その他、左近という女医がホメオパシー治療を行っていたという事実が残っている。

1975年に日本にエリザベス女王が来日する際、滞在先日本でのホメオパスの手配を外務省経由で要望したが日本人にはホメオパスの資格を持つものが見つからず、当時、在日外国人で、ホメオパス資格を持つものが、女王来日に対応したというエピソードがある。

そして、1980年代からの世界的な代替医学への関心の高まりを受けて、日本人もホメオパシーを利用する人々が出てきたが、海外からの情報ルートを持つごく一部の人によって使われているに過ぎなかった。日本国内ではマスメディアにホメオパシーが紹介されることはなく、1990年代に一部の精神世界系の雑誌で不思議な治療法として取り上げられるに留まっていた。このように1996年に由井寅子氏が日本で活動を始めるまで意図的とも思えるほどのホメオパシーに関する情報は日本に入ってきていなかった。

由井寅子氏は当時を振り返ってこう語る。「当時の日本はまるで蛇口をひねれば水が出て多くの人々がその恩恵に浴することができるのに、何者かが水が出るその蛇口を見つからないように見張っているかのような感じでした。世界的にあれだけホメオパシーが広がっている中で、日本だけ入っていないのはとても不自然でしたね。私はここに水が出る蛇口があることを皆に伝える必要を強く感じました。最初は本当にいろいろと大変でした。でも今はもう水は流れて川になりつつあります。やっと誰も止められないところまできました。英国の協力がなければとてもここまではできませんでした。本当に感謝しています。」

現代

1996年以降、ホメオパシーの日本の奇跡とも言われるほど、日本では急速にホメオパシーの導入、普及が進みました。それには、草創期の由井寅子氏の貢献には目を見張るものがある。

もともと英国に在住してホメオパシークリニックを開業しておりましたが、1996年から、日本でのホメオパシーの健康相談と、ホメオパシーの講演会活動を始めたことがその端緒となったのですが、それをきっかけに彼女は、ホメオパシーを真に日本に根付かせる為に必要不可欠である大きな柱となるものを矢継ぎ早に、一斉に開始した。彼女は、ホメオパシーが早く、幅広く、深く日本に浸透するためにとった選択は、1つは、質の高いプロフェッショナル・ホメオパスを早期に多く育成する専門教育機関、そして職業団体・認定団体を早期に立ち上げること。もう1つが、より多くの日本国民にホメオパシーのすばらしさを理解して頂き、セルフケアとして、多くの家庭でホメオパシーが実践されること、そのために安価で質の高いレメディーの供給体制をつくることでした。

ホメオパシー教育の導入
彼女は1997年4月、日本初のプロフェッショナルホメオパスを養成する専門教育機関ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー(RAH)を設立。最初から質の高いホメオパシー教育めざした。これまでに同校で教鞭をとった主要なすぐれた海外講師は、以下の通りとなっている。

Michel Odent, Farokh Master, David Needleman, Ian Watson, Didier Grandgeorge, Jan Scholten, Robin Murphy, Rosina Sonnenschmidt, John Morgan, David Howell, Raj Bains, Mario Boyadzhiev, Arthur Bailey, Martin Miles, Colin Griffith, Miranda Castro, Frans Vermeulen, Yubraj Sharma, S. K. Banerjea, Rudi Verspoor, Ewald Stoteler, David Lilley, George Dimitriadis, Trevor Gunn, Margaret Roy, Jacques Benveniste, Melissa Assilem, Robert Davidson, Jonathan Stallick, Myriam Shivadikar, Phil Wander, Sam Needleman, Andrew Lockie, Roger Dyson, Trevor Adams, Alize Timmerman, Jane Whitehead, Robert Duddell, Mike Bridger, Peter Crockett, H.E. van der Zee, Shaik Rahmathullah, Steve Smith, Elizabeth Adalian, John Hoare, Frederick Schroyens, Linda Gwillim, Jerome Whitney, Ellen Kramer, Rachel Roberts, Richard Kenchington, Geoff Johnson, Bob Wooler, Peter Morrell, Colin Lessell, Hilery Dorrian, Frederick Cole, William Nelson, Victor Sims, Karin Mont, など。

日本に招待された講師の一人であるロジ-ナゾンデンシュミット氏は、RAHについて記事を書いています。ドイツの科学雑誌「Raum & Zeit」において、

こういった活動により、世界各地で取り組まれている最先端・最前線のホメオパシーの知恵が日本に入ることにより、短期間で日本のホメオパシーの学問レベルは世界レベルに達し、1つのドグマにとらわれない自由な学風をもつユニークな教育機関として発展する。なお、後述するがRAHの関連以外でも海外のホメオパシー関係者の来日はこの10年間、相次ぎ、海外と日本のホメオパシーの知の交流は大きく進むことになる。また、同校は2006年には英国ロンドンを本校とし、ハイテク技術を駆使、ロンドンと日本国内の6拠点(札幌、東京、名古屋、大阪、京都、福岡)をインターネットTV中継で結ぶ授業を展開、パートタイム、フルタイムコースを併せ持ち、2006年からは、アニマルホメオパス養成コースも行う進取に気鋭に富んだ、実践校として、特に海外から招聘した講師ホメオパスからも、非常に高い評価を得ている。

ホメオパシーにおいて理論的な知識を身につけることは重要である。オーガノンに語られているホメオパシーの基本原理の解説から、マヤズム理論、マテリアメディカ、ホメオパシー医学の視点からの病理・生理・解剖学なども学ぶことになるが、理論は実践においてその正否が判断されるものである。RAHのポリシーは「メソッドは患者一人一人に合うものを採用すべきで、一つの手法にとらわれるべきではない」というものである。学生たちはひとつのメソットにかたよることなく、様々な手法を学ぶことができ、一人の患者に最適なメソッドを選ぶことができるよう、訓練される。また、実践重視のため、100以上の先輩ホメオパスのケーススタディなどを行なう。特に、由井が実践重視の立場で、1996年以降、現代日本人に通用するホメオパシーを実践した結果、特に、現代病とも言われるアレルギー、発達障害(自閉症、多動)、自己免疫疾患(がん、エイズ)、精神疾患、インナーチャイルドなど多くの難治の病気や医原病、薬害害、環境毒に対するホメオパシーへの応用という面では、日本のホメオパシーは大きく前進することとなる。学術的な国際交流も盛んであり、由井は。2003年、英国Homoeopathic Medical Association(HMA)コングレスで発表。由井が2007年は、ドバイでの国際コンファレンスで医原病について発表している。

由井はホメオパスという職業に対する社会的認識が無い日本で、1998年4月1日、日本でのホメオパシー医学の正しい普及と発展を図るためのホメオパシー普及団体として、また、ホメオパシー医学の教育の基礎を作り上げる学術団体として、また、プロフェッショナルホメオパスを認定・審査・指導する職業団体として日本ホメオパシー医学協会を立ち上げた。日本歴史上初のプロフェッショナルホメオパスの為の団体である。活動としては、ホメオパスの認定試験の実施、教育・指導に始まり、ホメオパス向け職業保険の運用、年次学術大会の開催、会員向け学術誌ホメオパシックジャーナル(季刊)の発行を行なっている。また、日本でホメオパスがホメオパシー健康相談を行う日本ホメオパシーセンターの管轄・認定、ホメオパス教育機関の認定・管轄、ホメオパシー普及のために取り組んでおられる方の会員組織であるホメオパシーとらのこ会の認定、管轄、ホメオパシー普及のためのセミナーやイベント出展を行っている。

ドバイでの国際コンファレンス、ハイデルベルグで行われたInternational Council for Homeopathy(ICH)の第1回の総会には日本代表としてJPHMAの由井出席。

2008年5月現在は、その会員数は、学生を含め700名。日本でホメオパシー治療を施すホメオパスと、それを受ける患者を守る為の、ホメオパシー保険が、2005年夏に適用となり、この職業保険成立を持って、JPHMAはICHへの加盟が認められ、また2006年から、それまでの英国HMAのホメオパス認定という制度からJPHMA独自のホメオパス認定制度へ発展することになる。

2000年にJPHMAがHMAの試験官を招き、在日英国大使館で日本で初めてのHMAの認定ホメオパス試験を日本語通訳付で実施し、10名のHMA認定ホメオパスが誕生して以来、日本国内で、2007年までに認定試験を受け合格し、JPHMAの認定ホメオパスとして登録されている数は290名。2008年には、400名を超える見込みである。

JPHMAは、とても開かれた団体であり、学んできた流派(クラシカル、プラクティカルなど)を問わず、海外など他のホメオパス教育機関を卒業し、実力を備えているものや、海外など他のホメオパシー協会に所属し活躍されていたものまでいる。そして、JPHMAの試験を受け合格したものは、JPHMA認定ホメオパスに登録し日本国内で活躍することができる。また、JPHMA認定の教育機関RAH以外の卒業生でもJPHMA試験を受けてJPHMA認定ホメオパスとして活躍する事例もでてきている。

JPHMAの理念は、「認定を受けたホメオパス養成専門校にて、必要かつ十分な一定期間ホメオパシーを学び、ホメオパスとしての知識と技能と資質が、権威と伝統ある協会によって厳格に試験され、合格し、認定を受けてはじめて、認定ホメオパス(プロフェッショナルホメオパス)としてこれを職業とすることが可能となる」という考えを支持し、医師、医療従事者であるなしにかかわらず、上記のとおりの訓練を受け、権威と伝統ある協会によって厳格に試験され、合格し、認定を受けたプロフェッショナルホメオパスが職業として、人々にホメオパシー治療を提供すべきであると考えている。
日本には、「医師の資格を持った人間でなければ、ホメオパシー治療をすべきでない」というJPHMAとは異なる理念を持ったホメオパシー医学会(JPSH)が2000年1月に設立された。同団体は医師、歯科医師、獣医師が中心となり、帯津良一医師により、設立された。ホメオパシー医学会とは、医師の資格を持たない人がホメオパスを職業とすることができるかどうかで、JPHMAとはその理念を異にしている。

JPHMAとJPSHはホメオパス資格について、他の国でも見られるように、医師資格を必須するとしないかで理念の相違はある団体であるが、両団体が対立しているものではない。また、日本で医師と医師以外のホメオパスが対立しているというような間違った情報が流されたこともあるがこれは全くの誤解である。JPHMAは当初から現代医学の必要性は認めており、現代西洋医学とホメオパシー医学は、それぞれ得手、不得手とするところがあり、お互いに補完し協力することで国民に最大の貢献が可能であることを謳っており、(JPHMAは必要な場合は現代医学にかかることを勧めています)、JPSHの会長の帯津良一医師も補完代替医療の重要性を認める医師で、同氏が会長をつとめるホリスティック医学協会には、医師資格を持たない人も多く所属し、活躍している。また、JPHMAに属する医師、歯科医師、獣医師などの医療従事者も多く、また、JPHMA由井会長も、過去、帯津氏が主催するホリスティック医学協会で講演を実施しており、日本人間ドック学会、日本未病システム学会、日本助産学会などでの医療関係者を対象にした学会にもJPHMAの参加、医療関係者向けのセミナーも実施している。また、由井氏が学長のRAHで学んだ医師で現在、JSHに所属しているホメオパスもいる。特に、近年、予防医学や、代替医療などの分野で、また、自閉症や多動などの発達障害の分野や、自己免疫疾患や薬害などの難治の分野でのホメオパシーの現場への応用については、特に最近はニーズが高まっている。また、一部の大学の医学部でも、ホメオパシーの講義が取り入られる動きもある。(2008年には、設立10周年の日本ホメオパシー医学協会の年次学術大会は、「アトピー,自閉,多動,癌難病大国日本それにおけるホメオパシー医学からのアプローチ」というテーマで一般公開され、全国各地で活躍するホメオパスがケース発表を行いますが、同時に医療関係者も含めたパネルディスカッションも予定されている)

尚、2002年から、ジョージ・ブトーカーが主催するIACHが4年制の通信教育中心(年間授業日数12日)のスクールを開講しており、2006年に初めて卒業生を送りだしている。また海外の通信制のコースで学ぶものや、海外のホメオパシー学校に留学して、ホメオパシーを学ぶ学生も増えている。民間でのホメオパシーを学びたいというニーズも高まり、セミナーや講習会やセルフケア向け講座なども近年は数多く開催されるようになった。認定ホメオパス資格を前提としない複数のスクールが誕生し、日本でも活動している。尚、ホメオパスでもなく、ホメオパシーを学んだこともない学長が学校を立ち上げ、講師陣もホメオパス資格を持たないものが担当してきたスクールがあり、卒業してもホメオパス資格が取得できなかったり、多くの方が卒業できずに学校をやめる被害が出ていたりするケースが問題となっており、仮にも、ホメオパシーの名前を語るからには、社会的モラルはもちろん一定の水準以上のレベルを持つことこそがホメオパシーが日本で市民権を持つためには必要条件であり、心あるホメオパシー関係者はこのような事態をまことに遺憾に思っている。また、資格をもたずに自称ホメオパスとして活動している人も複数でてきており、ホメオパシー利用者の間で一部混乱も見られる。日本国内の職業保険を持つホメオパシー団体に属さずに活動するホメオパスもおり、やはり職業としてホメオパスが認知されていくためには、JPHMAやJPSHのように職業保険に入った団体に登録して活動することが最低限のモラルであると考える。このように今後、認定ホメオパスが国家資格や国家資格に準じる資格に認められていき、職業として国民にしっかりと認知されていくためには解決すべき課題も多い。そのためには、日本国内でも国家資格と認められた鍼灸師、柔道整復師などのように、ホメオパス職業団体が分裂せずに、1枚岩となって、国民の健康に貢献していくことがとても大切であると考えている。

JPHMAでは、設立当初から、ホメオパシーの健康相談に、1時間 8000円~15000円という職業モラル料金を設けた。これは、認定ホメオパスである会員が守るべき基準であり、前述のような事件や、1時間のセッションで15万円も取って、ホメオパシー治療を行っていた方がいた人も過去にたいたので、今後ホメオパシーが普及していくには、利用者が安心してホメオパシーを利用できるようにとの意図で設定されたものです。
もう一つの教育は、一般の人々が、応急時やマイナーな症状にホメオパシーで対応できる為の啓蒙的なもの。由井は、ホメオパシーの基本哲学である「症状はありがたい」をキャッチフレーズに日本全国各地で、精力的な講演会活動を実施し、由井の言葉とホメオパシーの魅力は、日本国民の心を揺さぶり、共鳴する多くの人々が、ホメオパシーを使用する決意をし、実践し始めた。2007年 東京 癒しフェアで行われた由井の講演会には約1000名が参加した。また、JPHMAが認定するホメオパシーに取り組む方々にユーザー会であるホメオパシーとらのこ会も1998年にスタート、季刊のホメオパシー情報誌「オアシス」を発刊し、ホメオパシーに取り組んでおられる方々をつなぐ心の架け橋の役割を果たしているが、2008年で会員は2万人を超えた。ホメオパシーとらのこ会は、2004年にチャールズ皇太子の統合健康財団の法人擁護団体に登録されました。
ホメオパシーとらのこ会の体験談のWeb-site日々寄せられる数は増え続ける一方で、ホメオパシー無しの生活は考えられない人々が確実に増えている事が伺える。また健康やスポーツの分野でもホメオパシーは注目を集めており、2008年4月には、世界ホメオパシー認識週間の2008年度のテーマ「スポーツとホメオパシー」への参加行事として、JPHMAでは、神奈川保健福祉大学講師の増田敬子さんと、由井会長が共同で「体の動かし方とホメオパシー」(http://www.worldhomeopathy.org/)を実施した。また、ワールドカップサッカー元日本代表監督をつとめたフィリップ・トルシエ総監督率いるプロサッカーチームFC琉球に対しては、JPHMAがホメオパシーでのサポートを2008年から実施している。

また、由井氏は、当時、日本では、それまで一部では1本 1万5000円で売られていたが、ホメオパシーのレメディーを国民に廉価で供給することがホメオパシーの日本での普及には不可欠との判断から、私財を投じて、ホメオパシージャパン株式会社を設立(現在はホメオパスとしての活動と教育、JPHMAの活動に専念するため、同社の経営からは退く)、同社は英国HELIOS社と技術提携、日本総代理店契約を結び、30Cのレメディーが税抜き500円(1コインレメディー)で供給できる形をとる。また、セルフケアが家庭に浸透するためには、ホームキットの普及が不可欠との判断から、各種ホームキットも開発し、ホメオパシーが家庭に浸透するツールとなった。日本では、ドイツのシュスラーの必須微量元素(ティッシュソルト)の理論に基づき体内必須ミネラルを調節するホメオパシー製品や、ノゾースのレメディーを活用し、予防医学や免疫力UPにつながるレメディーのセット、体毒の排出を促進するセット、薬や予防接種でたまった体毒を排出するレメディーやホメオパシー技術応用商品、インナーチャイルドや心のトラウマを癒すホメオパシー製品など数多くの画期的な製品を開発することで、現代日本人の健康ニーズに応えてきて、こういった活動により、日本でも国民が、様々なホメオパシーのレメディーや製品を容易に入手できるようになった。また、ホメオパシーの普及に合わせ、個人輸入も含め、多くのルートでホメオパシー関連製品(レメディーや化粧品)が日本に入ってくるようになった。ホメオパシージャパンの他にも、精油、アロマテラピーなどを扱う英国のニルズヤード社でもホメオパシー製品を扱っている。また、シュタイナー関連では、その思想の中に、ホメオパシーも取り入れていることから、シュタイナー教育に関わる家族でホメオパシーを取り入れている方も多い。また、在日外国人で欧州、インド出身の方などで、ホメオパシーを使われる方が日本でも多くおられます。またホメオパシー理論を応用したエネルギー医学の分野に属する商品、例えば、クォンタム・ゼイロイドSCIOなどの測定機を使用するホメオパスも多く、講習会も開催されている。また、欧州からのホメオパシー理論を応用した技術の農業分野などへの応用も、一部で始まっている。
2000年当時、本来商標が成立しないはずの国際的には一般名称に分類される「ホメオパシー」については、化粧品の分類では大手化粧品メーカーが、「レメディー」というこれも国際的には一般名称である言葉に対して、健康食品目メーカーが、商標権を取得していて、このままでは日本で「ホメオパシー」という誰にでも使えるはずの一般名称の使用が商標権による制限されることになるため、広く国民が自由に「ホメオパシー」という名称が使えるようにということを宣言して、食品や書籍、教育などの分野で「ホメオパシー」を商標登録、以降、他の人が「ホメオパシー」の名称を使用に関しても、一切使用を制限しなかったため、日本では「ホメオパシー」という名称を万人が使うようになり、ホメオパシーという名称はようやく日本でも一般名称の仲間入りすることができた。

ホメオパシー書籍の普及
日本でも複数の出版社からホメオパシーの書籍が累計100冊以上刊行されるようになり、日本国民が日本語でホメオパシーの知識を学ぶことがかなり容易になってきた。中でもホメオオパシー出版がホメオパシー関連の書籍を50冊以上発売しており、特に2007年 ドイツ語の原著に忠実に翻訳された「オーガノン第6版」が同社から由井寅子監修にて出版され、日本でのハーネマン研究やホメオパシー研究が大きく進んだ。また、ギリシア古典文学の研究と翻訳の大家であり、錬金術史の研究でも知られる大槻真一郎 明治薬科大学名誉教授が、産調出版から「ホメオパシー大百科事典」を翻訳出版されるなど、最近はホメオパシー関連の出版ラッシュが続いている。(出版されている主要な書籍は文末 備考欄参照のこと)
余談となりますが、1992年に、全国予防接種被害者の会連絡協議会 事務局長の藤井俊介氏が、イギリスのホメオパシーのレオン・チャイトー著の「すべての親が知るべきこと 危ないぞ 予防接種 イギリスからのメッセージ」を翻訳出版、実はこの本が予防接種有害論の理論的なバックボーンとなり、その後、各地での予防接種被害者救済裁判の全国での全面勝訴につながっていきましたが、2007年3月にJPHMA主催で京都で第1回ホメオパシー「予防接種は果たして有効か」が開催され、そこで英国人ホメオパスで生化学者「予防接種は果たして有効か」の講義録も知られるトレバー・ガン氏、そして、「予防接種と医原病入門」を著し、ホメオパスの視点から、予防接種の問題を取り上げている由井氏の3人が出会い、特に日本でも大きな社会問題となっている医原病、環境毒などの分野での海外のホメオパシーの貢献については、とても大きいものがある。日本でも英国人医師 の古典的名著「ワクチノーシス」が2005年にホメオパシー出版から販売されている。

日本語に翻訳されているホメオパシー関連の書籍一覧
1.The Spirit of Homoeopathic Medicines. Essentioal Insights to 300 Remedies.
(スピリット・オブ・ホメオパシック・レメディー)
著者: D. Grandgeorge, MD
出版: Edicomm

2.Homeopathie chemin de vie. Grandir sous le regard d’un pediatre homeopathe.
(人生の道・ホメオパシー)
著者: D. Grandgeorge, MD
出版: Edicomm

3.Hoopathie garten-und zimmerplanzen (植物のためのホメオパシー)
編集者: R. Wuerthle
出版: BLV Verlagsgesellschaft mbH.

4.Everyday Homoeopathy (実用ホメオパシー)
著者: Dr. D. Gemmell
出版: Beaconsfield Publishers LTD

5.Miasms in Labour. A revision of the homoeopathic theory of the miasms – a process towards health. (出産とマヤズム)
著者: H. V. D. Zee

6.The Synoptic Materia Medica 1 (シノプティック マテリア・メディカ1)
著者: F. Vermeulen
出版: Emryss BV

7.A Guide to the Methodologies of Homoeopathy (方法論へのガイド)
著者: I. Watson
出版: Cutting Edge Publications

8.The Tao of Homeopathy (タオ・オブ・ホメオパシー)
著者: I. Watson
出版: Cutting Edge Publications

9.Antlitzdiaqnostik (顔診断)
著者: Dr. P. Emmrich
出版: H.Jungjohann Verlag

10.Ueber Gesundheit und Krankheit, Gesamtausgabe Nr.348 (健康と病気について 精神科学的感覚教育の基礎 シリーズ「シュタイナー・ホメオパシー医学講座」)
著者: R. Steiner
出版: シュタイナー遺稿協会

11.Homeopathy and Minerals (ホメオパシーとミネラル)
著者: Jan Scholten

12.Hahnemann (ハーネマン)
著者: M. Gumpert

13.Homoeopathic Links (ホメオパシック リンクス)
出版: Homeolinks Publishers

14.Homeopathic Treatment of small animals (ペットのためのホメオパシー)
著者: C. Day
出版: The Random House Group Ltd.

  1. Homoeopathy and Element(ホメオパシーとエレメント)
    著者:Jan Scholten
  2. Organon der Heilkunst 6. Auflage(オーガノン第6版)
    著者:Samuel Hahnemann (translated from German version)
  3. Vaccinosis(ワクチノーシス)
    著者:J. Comptun Burnett
  4. MA VERITE SURLA(水の記憶事件)
    著者:Jacques Benveniste en collaboration avec Francois Cote
  5. La medicine Retrouvee(真の医学の再発見)
    Authour: Dr Jean Elmiger

… など

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