2016年11月22日

今回のコングレスを振り返って(インドからのサポート)

第17回JPHMAコングレス
大会実行委員会

「ホメオパシー科学 ‐穏やかな治療法‐」日本語版の出版

今大会での特筆すべき点としては、インド180年のホメオパシーリサーチ総集編としてのインド政府ホメオパシーリサーチ中央評議会(CCRH)編纂の「ホメオパシー科学 ‐穏やかな治療法‐」が、インド政府の伝統医学(AYUSH)部門の協力を得て、JPHMAとの日本語版共同制作事業が完成し、先月インドで印刷された第1刷が届き、コングレス会場のお披露目ができたことであり、またコングレス初日からJPHMAホームページで全178ページが公開されたことです。

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インド政府からのメッセージ(AYUSH省アジット・M・シャラン書記官)

また前日、国内の急務によりコングレス式典への参加こそ叶いませんでしたが、AYUSH省アジット・M・シャラン書記官が、今回の日本語版出版についての映像メッセージを急遽撮影し、会場で上映されました。省内では大臣につぐ職位レベルの方とお聞きしています。その映像の内容を皆様に紹介させていただきます。

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インド政府「「ホメオパシー科学 ‐穏やかな治療法‐」日本語版発行へのメッセージ
(メッセージ和訳 JPHMA)

こんにちは。 インド政府AYUSH省よりご挨拶申し上げます。

2016年11月11日、12日と 日本ホメオパシー医学協会コングレスが開催される事を知り、大変嬉しく思っています。 このコングレスに関わる皆様を歓迎致しますが、私自身、急な公務と直に開催される国会の為に、参加できなくなってしまい大変残念に思っています。

最も求められているインド政府AYUSH省の文献の一つである、「ホメオパシー科学 ‐穏やかな治療法‐」の日本語版が、この機会に出版公開される事を知り、特に喜びを感じています。

本文献は、ホメオパスにとって信頼できる情報であり、参照リソースとして、効果的です。本書はホメオパシーのインフラ(基礎構造)、教育、研究、世界的な状況に関連するさまざまな側面の情報を、見事にまとめあげています。本書の最も貴重なことは、これまでにホメオパシー研究中央評議会(CCRH)によって行われた重要なリサーチや、他で行われた顕著な特徴を持つリサーチの記録(研究結果を含む)がまとめられたという点です。

本書がさまざまな外国語に翻訳され、より幅広い読者に読まれる事を喜ばしく思います。 日本の読者の皆さまが、この新版の内容が前版のように充実して有益であることを理解し、ご友人や同僚達へしっかりとした自信と信頼をもって、この文献を紹介されることを願っています。

ここインドにて、JPHMAコングレスの成功をお祈りすると共に、このコングレスが、日本だけでなく世界中への更なるホメオパシーに参照され、有益な成果を持たさせる事を願っています。 ありがとうございました。

インド政府からのメッセージ(AYUSH省CCRH マンチャンダ長官)

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マンチャンダ長官とのSkype中継

【 司会 】
CCRHインドホメオパシーリサーチ研究所のマンチャンダ長官とSkypeを繋ぎまして、ここでマンチャンダ長官からメッセージを頂戴したいと思います。ではよろしくお願いいたします。

【 由井 】
マンチャンダさん、今日はわざわざインドからスカイプをしていただき、どうもありがとうございます。

【 マンチャンダ長官 】
みなさんとこうしてお話しできることを私も感謝しております。

【 由井 】
ここには今日、400名近くのホメオパス、それからホメオパシーを愛する方々が集まっています。

【 マンチャンダ長官 】
皆さんようこそいらっしゃいました。

【 由井 】
今度この「ホメオパシー科学 ‐穏やか治療法‐」の文献がインド180年のリサーチを元に、例えば、関節炎にはこのレメディーがよいとか、アトピーにはこのレメディーがよいとか、歴史の検証に耐えてインド政府のリサーチを元に作られた文献として日本語に訳されたことは、日本の180年先の歴史をいっているインドのホメオパシーの実力であり、その内容を読ませていただきました。

【 マンチャンダ長官 】
今回JPHMAの皆様にとって、この本が非常に有効利用出来る本になればと願っています。日本のホメオパスの勉強のベースになればよいと思っていますし、インドがホメオパシーに対し持っている識見についても多少なりとも理解していただければと思っています。そしてもう一つ皆さんに理解していただきたいのは、インドにおいてもホメオパシーを政府に認めて頂くまでのプロセスは非常に大変だったという事実です。これを同時に理解していただければと思っています。そしてこの文献だけに限らず、私たちの文献リストの中には、インドにおけるホメオパシー教育の仕方、ホメオパシー研究の内容などもありウェブサイトで公開しています。しかし残念ながら英語の文書です。インド政府が色々とこれまで勉強してきたこと、学んできたことがあります。もしよろしければそちらの文献も日本語に訳していただき、活用していただくことも私たちにとっては喜ばしいことです。

【 由井 】
私たちが日本でやらなければいけないことは、インドのようにホメオパシーが国に公式に認めてもらえる形にもっていくということが、病気で苦しむ方々にとって、子供のケアをする母親にとってとても大切だと思います。今、世界広しといえどもインドの国のようにホメオパシーがこれほど受け入れられている国はありません。インドが経験してきたプロセスを私たち日本も通っていかなければならないのだと思います。もちろんホメオパシーはドイツ発祥で、ヨーロッパでとても盛んであります。しかしインドのように国をあげてホメオパシーを守って行く、ホメオパシーを推進するという国は本当に、世界広しといえども珍しいです。だからこそ私は、インドとの提携、インドのホメオパシーのやり方を学ぶことが重要と言ってきました。そしてインドがどのようにして国に認めて貰っていったのかというプロセスを知るという事がとても大事で、この5年間ほどの間にインドとの日印コンファレンスを実施してきました。お陰様で、AYUSH省の方に、日本のホメオパシーと日本ホメオパシー医学協会の取り組みをここまで分かっていただけるところまできました。

今度の12月に私たちJPHMAが再びインドを訪問します。その時には、またマンチャンダさんにお世話になります。又、AYUSH省の方にお世話になります。このように国をあげて私たちを歓迎していただいていることもよく分かります。ですから、私たちもインドでの最大ホメオパス団体の1つで、2000名のインドのホメオパシー・ドクターが集まるHMAIのコンファレンスに参加しJPHMAを代表し、私は40分発表する予定です。また、インドホメオパシーの発祥の地ケララ州のCCRHのコンファレンスがあり、ここでは私以外のJPHMA会員の発表もある予定ですね。この2つのコンファレンスに向かって12月にJPHMAのメンバーと一緒に行きますのでどうかご指導くださいませ。

【 マンチャンダ長官 】
私たちもケララ州のCCRH研究所でのコンファレンスでは、包括的なプログラムでのセミナーを用意して、皆さんをお待ちしております。教育からAYUSH省の政府の部分など、かなり盛りだくさんのプログラムを用意してお待ちしておりますので、ぜひお越しください。

【 由井 】
この様な働きになったのもひとえにマンチャンダ長官のお陰であります。本当にありがとうございました。皆さん拍手をお願いします。(会場内大きな拍手)

【 マンチャンダ長官 】
そして、由井大会長に対しても日本でここまでホメオパシーを発展させたことに私たちもすごく驚き、そして敬意を表しています。ありがとうございます。

【 由井 】
ありがとうございました。

【 マンチャンダ長官 】
ありがとうございました。

「ホメオパシー科学 ‐穏やかな治療法‐」日本語版 まえがきの紹介

また、私が「ホメオパシー科学 ‐穏やかな治療法‐」に日本語版前書きに書いた文章を紹介させていただきます。

「日本語版の出版にあたって」

本書は、Central Council for Research in Homoeopathy (CCRH:ホメオパシーリサーチ中央評議会)が中心となり、何十年もかけて動物、植物、微生物、そして人体でレメディーやマザーチンクチャーの効果や効能の科学的実験や臨床実験を行っていますが、その結果をまとめたものです。

この結果を見たらホメオパシーに否定的な人や懐疑的な人も、考えを変えることになるでしょう。がんや膠原病などの難病や伝染病にもホメオパシーの効果があることを証明したことは、人類に光を与えるものです。

これだけの研究を可能としたのは、インドが国をあげてホメオパシーを推進してきたからです。そして2014年11月9日、インドはアーユルヴェーダ、ヨガ、ホメオパシーを含む伝統的自然療法を重視し、AYUSH省を確立しました。

多くの国ではホメオパシーのような優れた治療法は反対勢力によってなかなか広がっていかないのが実情です。しかし、インドはそのような勢力に負けない底力をもっている国だと改めて思いました。そしてその力強さの源は、国民一人一人がやはり、何が自然か、何が正しいかということを直感的に理解していることにあるのではないかと思います。そしてその背景にあるのは、信仰心ではないかと思います。もちろん、そのインド国民の代表である指導者もマハトマ・ガンジーに代表されるように真実を見抜く力があり、それゆえ、ホメオパシーを高く評価、擁護してきた歴史があるからであります。そしてその恩恵はインド国民に還元され、魂・心・体を三位一体で癒すホメオパシーによって自然さを維持してきたのでしょう。

このようにホメオパシー大国であるインドだからこそ可能となった数々の実験により蓄積したエビデンスは、世界のホメオパシー事情を一変させるだけの力をもった財産であると考えます。この宝は世界各国で利用することができます。日本でも利用することに快く承諾いただくことができました。本当にありがたいことです。ここに晴れて『ホメオパシー科学 ‐穏やかな治療法‐』日本語版を上梓できることを何よりも喜ばしいことと感じております。

人類が心も体も健康に生きるために必要なことは、いかにして自己治癒力を高め自分自身を愛するかにかかっています。それを推進するホメオパシーが本書の出版を契機に日本でも広がっていくことを心から願っています。

最後に、CCRHの長官であるDr.マンチャンダ氏は日本のホメオパシーの推進に大きく貢献していただき、JPHMAとCCRHの絆を深めてくれました。
本当にありがたく深く感謝しております。

日本ホメオパシー医学協会会長 由井寅子

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