2016年11月22日

今回のコングレスを振り返って(CCRHとJPHMAの交流の歴史)

JPHMA理事 都築明美

この度は、ドイツから3回目の来日となったロジーナ・ゾンネンシュミットさんをお招きしての第17回JPHMAコングレスとなりました。終始ロジーナさんは、「Torakoが体・心・魂の三位一体で治癒している姿に感銘した。日本はこのような先人者がいたことに感謝しなければならない」とおっしゃっていました。由井会長がより高い治癒率を目指し、ZENホメオパシーを作り上げ、食や環境問題にも答えをだし、生きとし生けるものを統合的に見ていくやり方は、世界に類をみないホメオパシーの発展だと心から思います。多くの世界中のホメオパシーカンファレンスを見てきた私が確認してそう言いたいのです。

さて、インドとの交流の歴史を書きたいと思います。

2005年3月、日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)由井会長が、インドのホメオパシーを視察する目的でデリーを訪問した際、Dr. R Kマンチャンダ氏が、Nehru Homoeopathic Medical College and Hospital (NHMC & H)で教授されており、両者の学術交流が始まりました。

2013年10月18~20日、『日印ホメオパシー国際カンファレンス2013 - 国境なきホメオパシー』

2013年10月18~20日、インドのCentre for Advanced Studies in Homeopathy (C.A.S.H.)のサポートを得て、インドのニューデリーにて『日印ホメオパシー国際カンファレンス2013 - 国境なきホメオパシー』が開催されました。C.A.S.H.の協力のもと、その前日の10月17日、Central Council for Research in Homoeopathy (CCRH:ホメオパシーリサーチ中央評議会) とCentral Council of Homeopathy (CCH:ホメオパシー中央評議会)の講堂にて、インドと日本のホメオパシー情勢に関する情報交換をする機会を得ました。ここで、8年ぶりにCCRH長官となられたDr. マンチャンダ氏とJPHMA由井会長が再会しました。

由井会長とJPHMA使節団は、インド政府保健家族福祉省AYUSH局の管轄下の主要リサーチ団体で、「薬効植物の調査、収集、栽培」「薬物標準化」「薬物プルービング」「臨床的検証」「臨床リサーチ」を含むあらゆるリサーチ活動に対し、多角的アプローチを持つCCRHのDr. マンチャンダ長官、インドでのホメオパシー医学教育全てを規定し、承認するCCHのDr. Ramjee Singh会長はじめ、インド政府に務めるホメオパシー高官達に温かく迎えられました。

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由井会長は、日本におけるホメオパシーの目覚ましい発展を報告し、その一つとして、日本でも 2010年に政府が規定する16の療法からなる統合医療の1つにホメオパシーが入ったことが報道されたことも紹介しました。また、日本での医原病や発達障害などの症例集や、東日本大震災におけるJPHMAの支援活動などについても発表しました。

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由井会長のホメオパシーに対する貢献と功績が称えられ、CCHとCCRHから特別な証書が授与されました。C.A.S.H.の代表者より、このような証書がインド政府ホメオパシー機関より送られたのは初めてのことと説明を受け、由井会長はじめJPHMA一同、感激するとともに、大変光栄に感じております。

2013年12月7~9日、『第14回JPHMAコングレス - 愛とサイエンスを融合するホメオパシー』

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このご縁より、JPHMA由井会長は、Dr. マンチャンダ長官に日本のホメオパシーの現場を視察いただくこと、またインドに来ることのできなかった日本人ホメオパスや学生、ホメオパシーユーザー達へインドのホメオパシーについてご紹介頂くよう、2013年12月7,8,9日、明治神宮会館にて開催された『第14回JPHMAコングレス - 愛とサイエンスを融合するホメオパシー』に招聘しました。

Dr. マンチャンダ長官は、ホメオパシー発展に対しての協力には労を惜しまない方で、この来日発表招聘も、急なお願いであったにもかかわらず、由井会長からの依頼に応えるべくJPHMAコングレス参加許可をいただくよう厚生大臣へ熱心に働きかけていただいたとうかがいました。

皮膚科学を専門にするDr. マンチャンダ長官は、ホメオパスとしての心得「ホメオパスは、マテリア・メディカの知識も必要だが、診断された病理についても熟知する必要がある」「患者を治すこと、患者に貢献することが何より大切」と、由井会長と考えを共有されていました。

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また、この時は、Dr. マンチャンダ長官が来日されていることを聞きつけ、インド大使館のパンダ公使が、ウェルカムパーティーに駆けつけて下さいました。パンダ公使は、そこに集まっているJPHMAコングレス参加者の数を見て「日本にホメオパシーがあることは知っていたが、こんな大勢の方が使っているとは驚いた」とコメント下さいました。

Dr. マンチャンダ長官は、由井会長という強力なリーダーシップのもと、日本のホメオパス達が強い団結力で邁進していく姿に共感を示され、「このまま進んで行ってください」と温かいエールを送って下さいました。

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このご縁から、由井会長は、当時の駐日インド大使、ディープ・ゴパラン・ワドワ大使と面会し、日本のホメオパシーについて直接報告させて頂く機会も得ました。

インド政府AYUSH省のNilanjan Sanyal書記官との会合

インドでは、2014年11月9日、インド首相 ナレンドラ・モディ政権の下、伝統医学、アーユルヴェーダ、ヨガ、ナチュロパシー、ユナニ、シッダ、ホメオパシー実践の促進を受け持つ大臣、AYUSH大臣が誕生。過去、AYUSH局は厚生大臣の管轄下に置かれていましたが、AYUSH大臣が独立して管轄を受け持つことになりました。

その約4か月後、2015年2月27日午前9時45分より、インド政府AYUSH省サンヤル長官のオフィスにて、由井会長との会合が開かれました。ともにインドに赴いているJPHMA理事達5名も同席し、これはJPHMAにとって歴史的な瞬間となりました。

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この会合は、Dr. R K マンチャンダ長官、元駐日インド大使、ワドワ大使の推薦、そして、インドのホメオパシー大手企業、Bジェインの教育機関C.A.S.H.のお力添えのお陰で実現しました。

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この会合では、由井会長より日本のホメオパシーの現状についての報告と今後のホメオパシー発展のためにインド政府に協力を求めたいことを伝えました。 サンヤル長官は、2011年東北に大きな被害をもたらした東日本大震災を体験して、由井会長が開発した災害キットについて、素晴らしいキットであるとほめておられました。また、今後の日本のJPHMAとインドとの関係性において、オープンに、ホメパシーの発展にとってさまざまな協力関係について前進させることで応えてくれました。AYUSH省は現在、モディ首相が最も力を入れているヨガについても言及されました。 インド政府AYUSH省とJPHMAをまた一歩前進させる会合となりました。

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同日午後は、CCRH講堂にて、CCRHとJPHMAのジョイントイベント『インタラクティブ・ミーティング』が開催されました。インドからは、Dr. マンチャンダCCRH長官が、インドにおけるホメオパシーの状況概観とインドが提供できることを発表頂きました。日本側からはJPHMA代表として、由井寅子会長が発表を行いました。

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内容は、由井会長がホメオパシーを日本に根付かせてきた歩みを振り返りながら、発達障害などに代表される重疾患に顕著な改善がみられたケースを紹介。さらに、心の癒しや安全安心な食の実践といった、ホメオパシーのみにとどまらないホリスティックな取り組みが重要であることを発表しました。

2015年10月11~12日、『第16回JPHMAコングレス - 病気にならない生き方、食を見直し、心を癒そう!』

そして、2015年10月11~12日に開催された『第16回JPHMAコングレス - 病気にならない生き方、食を見直し、心を癒そう!』での発表と参加を兼ね、日本のホメオパシー情勢を視察するため、再びインド政府AYUSH省の承認を得て、Dr. マンチャンダ長官に来日いただきました。

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由井寅子大会長より、インド政府AYUSH省CCRHマンチャンダ長官に対し、これまでの日本のホメオパシーへの協力と尽力への感謝をこめて、JPHMA名誉会員の称号が贈られました。

マンチャンダ長官からは、インド政府AYUSH省CCRHから、ホメオパシーの普及へのJPHMAの貢献、また世界のホメオパシーに対する由井寅子ホメオパスの貢献に対して記念の盾と記念品とともに、インド政府CCRHが2013年にホメオパシー療法について『Homoeopathy - Science of Gentle Healing - (ホメオパシー科学 ‐ 穏やかな治療法)』として編纂し、公開した書籍が贈呈されました。

ここで由井会長は、このインド政府のエビデンス集を日本語に翻訳し出版することが、日本のホメオパシー普及に繋がるであろう、とDr. マンチャンダ長官と合意します。JPHMAとインド政府AYUSH省CCRHの絆が、また一つ確かなものとなり、日本のホメオパシーにとって、歴史的にも新たなステップアップとなりました。

コングレス終了時には、Dr. マンチャンダ長官より「二日間、さまざまな症例を注意深く聞かせていただき、レベルは違えども処方の素晴らしさに感動しました。さらに学会としての活動の質を高めていくためには、リサーチ研究の要素をプラスするとよいと思います。それはホメオパシー治癒症例ケースのリポートの形式を標準化していくことから始まります。皆さんの学び続ける姿勢に感動しました。インドでは「日本にはホメオパシーは存在しない」と揶揄されたりしますが、日本にホメオパシーは存在する。形は違えど存在します。その形の違うホメオパシーをどのように前進させていくかに着目しています。ここはすばらしい国、すばらしい人、そしてすばらしいホメオパシーが育っている国です」というお言葉を頂きました。

コングレス終了翌日には、静岡県に所在する日本のホメオパシーレメディーやホメオパシー関連商品を製造供給している会社、ホメオパシージャパン(株)、ホメオパシー自然農を実践している日本豊受自然農も訪問頂きました。

Dr. マンチャンダ長官より「ホメオパシーで、農薬の代わりになるものがないかと考えている。ここは由井会長に学ばなければいけないところで、無農薬・無化学肥料で農業を実践し、ホメオパシー、医療、農業を別のものとせず、共通したものという視点で扱っている由井大会長の姿勢が素晴らしい」とコメント頂きました。

そして、2016年12月、インドのケララ州コッタヤムにて、『CCRHとJPHMAのジョイントセミナー』を開催

そして、2016年12月には、インドのケララ州コッタヤムに所在するBehavioral disorders, psychiatric and psychosomatic conditionを専門としているCentral Research Institute of HomoeopathyにてCCRHとJPHMAのジョイントセミナーが開催され、AYUSH省の高官によって、この「Homoeopathy - Science of Gentle Healing(ホメオパシー科学 ‐ 穏やかな治療法-)」日本語版出版のお祝いが成される予定です。

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